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魔王よりも強い【荷物持ち】は滅亡した世界から過去に戻り、『二周目の世界』を圧倒的な強さで無双する。  作者: 六志麻あさ @『死亡ルート確定の悪役貴族2』発売中!
第6章 二度目の最終決戦

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14 アベルの末路、そして


「【異空間創生】」


 魔法を発動しながら、俺は魔力剣を振り下ろした。


 ずずず……っ。


 空間が切り裂かれ、その奥に血のように赤い異空間が見えた。


「これがお前の檻になり、棺になる」

「なんだと……!?」

「お前をその状態で異空間に封印する。これ以上、もう何もできないように」


 俺はアベルを見つめた。


「ここは時間の流れが外界とは比べ物にならないほど遅い。お前は何万年か、何億年か、あるいはもっと……永遠に近い時間を、ここで過ごすんだ。そして祈れ」


 俺はかつての親友に言った。


「世界の平和を祈り続けろ。人々の幸せを祈り続けろ。お前が殺し、壊してしまった無数の幸せに懺悔し続けろ。この先、何十年も、何百年も、何千年も、何万年も――」

「い、嫌だ――」


 アベルの顔が青ざめた。


「そんな場所に永遠に閉じこめられるのは嫌だ……! だいたい、この状態だと痛みがひどい……せめて手当を――」

「甘えるな。その痛みも、お前は永遠に背負っていくんだ」


 俺の言葉とともに、アベルの生首が浮かび上がる。

 異空間にゆっくりと引き寄せられていく。


「嫌だ……嫌だぁぁぁぁ……っ」


 アベルは涙を流していた。


 鼻水や涎も流し、秀麗な顔はみっともなくグシャグシャになっていた。


「これがお前の末路だ、アベル」


 俺は奴を見つめた。


 異空間に引き寄せられ、やがて奴の生首がその中に吸い込まれていく。

 同時に、空間の裂け目がゆっくり閉じていった。


「嫌だぁぁぁぁぁっ、助けてぇぇぇぇぇ――」


 声は、唐突に途切れる。


 空間が完全に閉じたのだ。


「終わった――」


 アベルは永遠に封印され、これからはせめて自分の犯した罪と向き合い、懺悔を続けてほしい。

 そして、いずれは世界のために祈れるようになってほしい――。


 それが俺の願いだった。


 仲間たちや人類すべての無念を晴らすために、奴を殺すことだけを考えた時期もあった。

 けれど、最終的には俺はこの結論に落ち着いた。


 一瞬の死よりも、絶望と苦痛の果てに、人を想う心を取り戻す――そのための、永遠に近い旅路を。


 俺はアベルに贈ったんだ。




 ――その後、俺は神殿周辺で暴れる超魔族の討伐を行った。


 俺やガードナーがアベルと戦っていた間、シリルやクレイン、ターニャが中心となって、その場の騎士や魔術師たちをまとめあげ、超魔族に対抗していた。


 おかげでお偉いさん方の死者はゼロ。

 軽傷者が何人かいた程度だ。


 俺とガードナーもすぐに戦線に加わり、超魔族たちを殲滅していった。

 やがて超魔族たちは突然苦しみ出し、体が崩壊していき、一人残らず絶命した。


 アベルが言っていた通り、強化に体がもたなかったんだろう。


 かくして、魔王軍との戦いは『魔王を討つ』という大戦果を挙げ、いったん終結したのだった。

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忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


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