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魔王よりも強い【荷物持ち】は滅亡した世界から過去に戻り、『二周目の世界』を圧倒的な強さで無双する。  作者: 六志麻あさ @『死亡ルート確定の悪役貴族2』発売中!
第6章 二度目の最終決戦

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4 世界を救った荷物持ち


 SIDE ガードナー



「あ、あいつ、魔王を倒したのか……」


 ガードナーは呆然と空を見上げていた。


 信じられなかった。

 人類の総力を挙げてなお、討伐するのは不可能だと言われた魔王を――。


 たった一人の戦士が、いとも簡単に討ち果たしたのだ。


「何者なんだ、あいつ……」

「カインなら、やると思っていたわ」


 シリンがうっとりした顔で微笑む。


「大したものだな。あっさりと世界を救ってしまったわけだ」


 と、クレインがニヤリと笑った。

 彼女たちは誇らしげな顔をしていた。


「すごい奴だ……」


 ガードナーがうなずく。


 伝説の傭兵として幾多の戦場を駆け巡った彼だが、カインほどの戦士に出会ったことはない。

 完全に『別格』だ。


 ガードナー自身を含めて。


 正直に言うと、そのことへの嫉妬を感じていた。

 最強の戦士でありたい、というガードナーの夢を阻む邪魔者……ガードナーにとってカインとは、そういう存在だった。


 もちろん、そんなことを他人に言えるはずがない。

 器の小さな男だと揶揄されるだけだ。


 だが、誰にも言えないからこそ、ガードナーのひそかな嫉妬心は胸の内でどこまでも膨らんでいく。


(あいつさえいなければ――)


 俺が、最強なのに。

 それがガードナー・アクスの偽らざる本音だった。


「……これで戦争が終わるわけじゃない」


 ガードナーは自分の妄執を振り払うように、思考を切り替えた。


 魔族軍の主力――サイクロプスや魔将たち、そして魔王までも倒したとはいえ、魔族の軍勢はまだ残っている。


「魔王が討たれた今、奴らは烏合の衆。とはいえ……そういった連中がかえって危険なこともある」


 確実に掃討しなければならない。

 そして、それはカインだけでなく、この場にいるすべての戦士たちの役割だ。


「次は俺も活躍しないとな」


 ニヤリと笑みを浮かべるガードナーは、そこである『違和感』を覚えた。


「……ん?」


 先ほど魔王が消滅したばかりの空中で、何かがうごめいている。


 黒いモヤのような、何か。

 どうやら、そこに背を向けているカインはまだ気づいていないようだが――。


 モヤはゆっくりと地面に向かって『降りて』いく。


(あれは――)


 彼はそっと場を離れ、モヤの向かう先に進んでいった。


 他の者に声をかけなかった理由は、自分でも分からなかった。

 ただ、引き寄せられる何かがあったのだ。


 あのモヤに呼ばれているような――奇妙な感覚が。




 やがて神殿の外れまでやって来たガードナーは、地面の上で揺らぐ黒いモヤを発見した。


「我を手にせよ……」


 モヤから声が聞こえる。


「なんだ、これは……?」


 戸惑うガードナー。


「お前は力を欲している……誰よりも強い力を……そんな願望を持つ者にのみ、我が声が聞こえる――」

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忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


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