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魔王よりも強い【荷物持ち】は滅亡した世界から過去に戻り、『二周目の世界』を圧倒的な強さで無双する。  作者: 六志麻あさ @『死亡ルート確定の悪役貴族2』発売中!
第5章 勇者選定儀式

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10 さ迷うアベル

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 SIDE アベル



 時間は少し遡り――。


 城の牢獄を脱出したアベルは、城内の兵を斬り倒して脱獄していた。


 彼の元に現れた黒い魔剣リヴァ―ルの能力はすさまじく、並の兵などまったく相手にならない。


 時折現れる追っ手も、リヴァ―ルが自動的に感知し、アベルに知らせてくれるため、不意打ちを受ける心配もない。


 こうして、アベルは易々と辺境まで逃げ延びていた。




 それからしばらくして、アベルは勇者選定の儀式が行われることを聞いていた。


 ここからほど近い神殿で行われる儀式――。

 そう、『一周目の世界』でアベルはこの儀式によって勇者に選ばれたのだ。


「懐かしいな……また俺が勇者に選ばれるのか?」


 感慨にふけるアベル。


「いや、君はすでに魔剣を得ている。この上で聖剣も得ることはできない」


 腰に下げた魔剣リヴァ―ルが言った。


「新たな勇者は別の者が選ばれることになるだろう」

「聖剣か……」


 アベルはニヤリと笑った。


「魔剣のお前に加え、聖剣まで得られれば、俺は無敵になるだろうな」

「聖剣と魔剣――二つを得たものなど歴史上存在しない」

「なら、俺が最初の一人になればいい」

「ほう」


 リヴァ―ルが笑う。


「俺は誰よりも強くなる。『一周目の世界』のような無様な生き方は御免だ」


 アベルは大きく息を吐き出した。


『一周目の世界』において平凡な農民の子だったアベルは、勇者に選ばれ、英雄としての人生が始まった。

 世界の誰もがアベルのことを知り、称えた。


『選ばれた特別な人間』としての人生を、アベルは謳歌していた。

 もちろん魔王軍との戦いは命懸けで厳しいものだったが、それでも最後には必ず彼が勝つ。


 聖剣の力は絶大だったし、勇者パーティの仲間たちも頼もしかった。


 だが――魔王との決戦からすべてが変わり始めた。


 アベルは敗れた。


 魔王の力に。


 そして精神的にも魔王に屈してしまった。


 アベルは仲間たちを手にかけ、魔王のしもべとして生まれ変わった。

 英雄としての人生は地に堕ちた。


「俺はこんなものじゃない……もっと世界中から賞賛されるような人間に――」

「なら、魔王を倒して世界を救うのか?」


 魔剣リヴァ―ルがたずねた。


「そうなれば、君は『一周目の世界』と同じく英雄になれるぞ?」


 どこかアベルを揶揄しているような口調にカチンとくる。


「口の利き方に気を付けろ、貴様」


 魔剣をにらみつけた。


「それに……魔王は簡単に手を出せるような相手じゃないだろ。現に『一周目』じゃ、俺は手も足も出なかった」

「今はそうでもあるまい」


 と、リヴァ―ル。


「何?」

「今の君には私がいる。魔王といえど、勝てない相手ではない」

「……へえ」


 アベルの口元に歪んだ笑みが浮かぶ。


「お前がいれば魔王を倒せる、と?」

「今度こそ――真の英雄を目指してみるか?」


 魔剣の言葉にアベルは沈黙した。


 歪んだ笑みが、深まった。




 アベルは支度をして、神殿へと向かった。


 おそらく先日の事件で手配されたままだろうから、追っ手に見つからないように慎重に。


 目的は、勇者選定とともに出現するであろう聖剣だ。


 それを手に入れ、アベルはさらなる力を得るだろう。


『一周目』の勇者時代を凌駕する力を――。

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忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


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