3 戦士ガードナーとの再会
「カイン・ベルストだ」
「俺はガードナー・アクス」
「知っているよ。伝説的な傭兵だからな」
俺はニッと笑った。
「お前の活躍に比べたら、俺の『伝説』とやらも霞んじまうけどな」
ガードナーはコワモテに似合わぬ人懐っこい笑みを浮かべた。
いかつい外見とは裏腹に、彼は優しい性格だ。
こう見えても教養もある。
噂では、どこぞの高貴な生まれだ――なんてのもあるが、案外そうなのかもしれないと思わせる気品があった。
シリルやクレイン、ターニャに続き、ガードナーも……。
こうして『一周目の世界』の仲間たちに再会できるのは、やはり嬉しかった。
『一周目の世界』ではアベルに惨殺された彼らが、この世界ではこうして生きている。
生きて、話すことができる。
生きて、出会うことができる。
本当に嬉しい。
「ん、どうした? ニヤニヤして」
怪訝そうな顔をするガードナー。
「……なんでもないよ」
俺は首を左右に振った。
「魔王軍との戦いで頼もしい男に出会えた、と思ってさ」
「こっちのセリフだな。ま、お互いがんばろう」
ガードナーが手を差し出した。
俺はその手を力強く握り返す。
「ああ、世界に平和をもたらすために」
そう、今度こそ――。
世界に平和をもたらし、そして誰も死なせないハッピーエンドを迎えるために。
俺は、戦う。
「ねえ、そろそろ勇者選定の神託が下りるみたいよ」
シリルが言った。
振り返ると、神殿の前に一人の女が出てきたところだ。
もちろん、僧侶のターニャである。
彼女が神託を告げ、新たな勇者が選定される――。
『一周目の世界』ではアベルが選ばれたが、今度はどうなるんだろうか。
またアベルが選ばれるのか?
それとも――。
「今、神のお言葉をいただきました――」
ターニャが厳かに告げる。
「新たな勇者、その名は――」
場の全員が固唾を飲み、彼女の次の言葉を待った。
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