9 黒と白と2
「助かる……道……?」
アベルはハッと顔を上げる。
救われたい、と思った。
人類の裏切り者として捕らわれ、看守に殴られ、打ちどころが悪くて、そのまま死んでしまう――。
あまりにも惨めな最期だ。
こんな終わり方は嫌だった。
だから、それを覆す方法があるのなら――すがりたい。
「必死だな」
カオスはますます嘲笑を深め、
「俺たちが一つになれば、より大きな力を得るだろう」
「一つに……」
「融合だ。ただし――その場合、俺たちは元通りの『俺たち』ではいられない。おそらく、どちらかが消滅する」
シン、と場が静まり返る。
「消滅……」
アベルは息を飲んだ。
「そう、消滅だ。どちらかの意志が残り、もう片方は完全に消えてしまうだろう」
カオスはこともなげに言った。
「自分が消えるのは嫌かな?」
「あ、当たり前だろ!」
「なら、それを防ぐ方法が一つだけある」
カオスが言った。
「あらかじめ相手を殺した後で融合するんだ。そうすれば自分自身を確実に残せる」
「相手を……」
殺す。
アベルはカオスを見据えた。
胸の奥から強烈な殺意が湧き上がる。
「――なるほど、つまり君を殺せばいいってことだ」
「殺せるものなら、な」
カオスがニヤリとする。
「だが俺が君を殺せば――俺こそが本物の『アベル』となる。それを忘れるな」
「なら俺も同じ言葉を返そう。殺せるものなら――」
アベルが突進する。
「殺してみろ!」
そして白い世界で、アベルは己の存亡をかけた戦いに挑む――。
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