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魔王よりも強い【荷物持ち】は滅亡した世界から過去に戻り、『二周目の世界』を圧倒的な強さで無双する。  作者: 六志麻あさ @『死亡ルート確定の悪役貴族2』発売中!
第4章 俺の根源

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1 回復の神殿、到着

 俺たちは『回復の神殿』にたどり着いた。


「ここが魔力回復の神殿よ。祭られているのは守護の女神『ルルファリア』様。私のデータによると、ルルファリア教団のターニャ司祭がここを取り仕切っているはず」


 シリルが説明してくれた。


「ん、ターニャ司祭?」


 まさか、それって――。


「おお! シリルではないか! 久しぶりなのだぞ」


 小柄な女僧侶が駆け寄ってきた。


 肩までの青い髪に褐色の肌をした美少女だ。


 僧侶ターニャ。

 彼女もまた、一周目の世界では勇者パーティの仲間だった。


 懐かしい気持ちがこみ上げるものの、この世界においては俺と彼女は初対面である。


「初めまして。カイン・ベルストと申します」

「ターニャだ。よろしくなのだぞ」


 屈託なく笑うターニャ。


 俺はターニャに、ここに来た理由を語った。


 といっても、本当のことをそのまま話しても信じてもらえないだろうし、混乱を招くだけだ。


 だから、ある程度ぼかして……今の俺が本来の自分よりも調子を落として弱くなっているというニュアンスで話した。


 魔力も絶好調時より落ちている、と……まあ、これは本当だ。

 クレインとの『試合』でも、俺が放った魔法弾は想定していたよりも威力がかなり低かったからな。


 それが一時的な不調なのか、時間が戻ったことにより、俺自身の体になんらかの変化が生じたのか……その辺りは分からない。


 あるいは聖剣を失ったことで、俺が弱くなってしまったのか――。


「魔力が減っている? そんな感じには見えないのだぞ」


 ターニャが言った。


「いたって本調子に見えるが……」

「ああ、正確には減っているのは魔力じゃない。ただ、俺の中に宿っていた大きな力は失われている。それをどうにか回復、あるいは補給できないかと思ってさ」


 うーん、本当のことを話せないから、どうしても奥歯にものが挟まったような説明になってしまう。


「それは魔力とは別の力、ということでよいのかな?」

「ああ」

「うーん……」


 ターニャがうなった。


「まあ、よく分かんないから、とりあえず魔力回復を試してみるってことでいいか。あたしも考えるのが面倒くさくなってきたぞ」


 けっこう適当だな、こいつ……。


 まあ、ターニャらしいといえば、らしいか。

 俺は懐かしい気分になった。

 と、


「あ、待ってほしいのだぞ。その前に神託タイムだ」


 神託。


 神から高位の僧侶に下される、何らかのメッセージ。


 その発信は多くの場合、突然起きる。

 数日に一度のペースのときもあれば、数年ぶりに神託が下ることもある。


「待っていてほしい」


 言って、ターニャは奥に引っ込んでいった。




 しばらくして戻ってきたターニャは、興奮気味だった。


「大ニュースなのだぞ!」

「どうした、ターニャ」

「神託が下った。今から十日の後、この世界に――」


 ターニャが俺たちを見回す。


「魔王を討つ勇者が、選ばれる」

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忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


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