7 それぞれが進む道
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新作『仲間に裏切られた俺は魔王に転生する。俺だけの最強国家を魔界に築き上げ、最強魔族の軍団を編成したので、地上にいる仲間の領土に侵攻する。さあ、待ってろよ裏切り者ども。』を始めました!
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「ところで魔族との戦いとはなんのことだ?」
「えっ」
クレインの問いかけに俺は唖然となった。
「知らずに引き受けたのか……」
「しばらく山にこもって修行していたからな。実は君がなんの話をしているのか分からない」
と、クレイン。
「戦う前の約束だから引き受けただけさ」
「魔族の侵攻って世界中でけっこう話題になってるんじゃないのか?」
「世間の話題には疎いんだ」
俺の言葉に苦笑するクレイン。
『一周目の世界』では『仲間になった後』のクレインしか知らなかったけど、彼女ってこういうキャラクターだったのか……。
「修行マニアだもんね」
「君だってデータマニアだろう」
などと、和やかに笑っている二人。
ともあれ俺たち一行はクレインを加え、ふたたび回復の神殿へと向かう――。
※
SIDE アベル
アベルは『人間狩り』に来た魔族に服従し、彼らの拠点へと向かっていた。
現在、この世界にある魔族の前線基地は五つ。
ただし、そのうちの一つはカインが壊滅させたので、残るは四つということになる。
アベルが連行されているのは、そのうちの第三番基地ということだ。
「おらっ、とっとと歩け!」
魔族の一人に小突かれる。
「う、うわっ……」
聖剣を手にしていたときや魔族の力を持っていたときならともかく、今のアベルは常人と大差ない状態だ。
魔族の力に抗しきれず、その場に倒れてしまった。
「歩けと言ってるだろうが! お前の代わりなんていくらでもいるんだぞ」
「も、申し訳ありません……」
アベルは平伏して謝罪すると、よろよろと立ち上がった。
まだまだ目的地までは遠い。
馬車などはなく、このまま徒歩での移動が続きそうだ。
と――、
「おっ、人間たちの集落が見えてきたぜ」
「あそこでも奴隷を手に入れるか」
「だな」
魔族たちが顔を見合わせ、ニヤリと笑った。
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