5 提案
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新作『仲間に裏切られた俺は魔王に転生する。俺だけの最強国家を魔界に築き上げ、最強魔族の軍団を編成したので、地上にいる仲間の領土に侵攻する。さあ、待ってろよ裏切り者ども。』を始めました!
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「ちょっとクレイン。いきなり戦いを挑むなんて――」
「今言っただろう。修行の一環だ」
抗議するシリルをクレインが突っぱねた。
「いくら旧知の君でも、戦いを止めようとするなら全力で拒否するぞ」
「彼は来たるべき戦いに必要な人材よ」
「関係ない。私は、私の実力を磨くことにしか興味がない」
「もう……」
ああ、思い出した。
懐かしい気持ちでいっぱいになる。
そうだ、クレインってこういう奴だったよな。
「クレイン、一つ提案がある」
「ん、なんだ?」
「俺が勝ったら、魔王軍と戦う仲間になってくれないか?」
「……私は自分の実力を磨くことにしか興味がない、と言ったはず」
「なら、魔王軍との戦いは絶好の訓練になるんじゃないか?」
俺はクレインを見つめた。
「……修行のやり方は私自身が決める」
「はは、強情だな」
けど、そういうところも彼女らしい。
「私に言うことを聞かせたいなら力ずくで来ることだ」
「そうだな。俺の剣と魔法で、君にこの提案を呑ませてやる」
「面白い……面白くなってきたぞ……!」
クレインが剣を構えた。
俺も剣を抜く。
「シリルは審判代わりだ。どっちかが戦闘不能になるか、危ない場面になったら止めてくれよ」
「もう、カインまで……」
「クレインも修行だって言っただろ。来たるべき戦いには必要なことさ」
「もうっ。分かった。でも、お互いケガしないようにね」
シリルがため息をついた。
それから右手を上げて、高らかに叫ぶ。
「両者構えて――始め!」
俺とクレインの『試合』が始まった。
「【火炎】!」
クレインが魔法の炎を生み出した。
さらに、
「【斬撃】!」
剣術スキルを発動する。
先ほどの火炎がクレインの剣に宿り――、
「魔法剣技【火炎斬り】!」
魔法と剣術の合わせ技……クレインの真骨頂だ。
俺は迎撃の魔法弾を撃った。
けれど、思ったよりかなり弱い威力になり、あっさりとクレインの【火炎斬り】に斬り散らされる。
なおも俺に迫るクレイン。
「まずい……」
さすがにちょっと焦った。
二発目の魔法を撃つより、クレインの【火炎斬り】の方が早い。
この間合いじゃ攻撃範囲から逃れるのも無理だ。
多少のダメージを無視してカウンターを食らわせるか。
それとも――、
「がああああっ!」
考えるより早く、俺の体の方が反応してしまっていた。
左手を、突き出す。
五本の指がいっせいに伸びた。
「えっ……?」
なんだ、これは――。
俺の体がひとりでに『変形』した!?
数メートルまで伸びた五本の指で、クレインが振り下ろした炎をまとった剣をつかむ。
ばきんっ。
剣をあっさりとへし折り、炎を握りつぶしてしまった。
さらにクレインをはたいて吹っ飛ばす。
それから五本の指は元の長さに戻った。
「なんだったんだ……?」
俺は呆然と左手を見つめた。
傷一つついていない。
クレインの炎と斬撃の両方をあっさりと封じてしまった。
今までの俺に、あんな技は使えなかった。
いや、そもそも今のは『技』だったのか?
まるで――。
「な、なんだ、その技――」
はあ、はあ、と荒い息をつきながら、クレインが俺を見据えた。
しまったな、怪しまれたか?
どう考えても、怪しすぎる現象だったよな……。
「すごいじゃないか! 私は感動したよ!」
……って、あれ?
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