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魔王よりも強い【荷物持ち】は滅亡した世界から過去に戻り、『二周目の世界』を圧倒的な強さで無双する。  作者: 六志麻あさ @『死亡ルート確定の悪役貴族2』発売中!
第3章 かつての仲間たち

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4 魔法剣士クレイン

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 二日目の行程、今日も俺たちは馬車で先へ進む。

 その昼下がり――、


「っ!? 御者さん、止まってもらえますか!」


 ふいにシリルがハッとした様子で顔を上げた。


「? どうしたんだ?」

「私のデータによれば……この魔力波長は彼女です」

「えっ」


 馬車が止まり、シリルが地面に降りた。


 それに続く俺。


「なあ、彼女って誰のことだよ――」

「――来ます」


 シリルが告げる。


 次の瞬間、背後から殺気が膨れ上がった。


 ぎんっ。


 振り向きざまに、俺は剣を抜いてその攻撃を受け止める。


「へえ、今のを防いだか。やるねぇ、君」


 俺に斬りかかってきたのは、薄桃色の髪を長く伸ばした女剣士。


 冷然とした美貌に、俺より頭一つ高い180センチ近い身長。

 軽装甲冑をまとい、その上からマントを羽織っている。


「君は――」


 勇者パーティの一人、魔法剣士クレインだった。


 どこの国にも所属せず、辺境で腕を磨き続けてきた謎の魔法剣士――。


 クレインは勇者パーティに加わり、すぐに頭角を現していった。

 まさに腕一本で駆け上がったサクセスストーリーといえる。


 ……と、それはいいんだけど、


「なんでいきなり斬りかかってきたんだ?」

「君が強そうだったからね」


 俺がジト目で見ると、クレインはこともなげに言った。


「修行だ。強そうな奴に斬りかかる。勝ったら、もっと強くなれる。負けたら、それを糧にもっと強くなれる。じっちゃんの教えだよ」

「それ、やられた方からしたら迷惑すぎるんだが……」


 とはいえ、クレインは昔からこういう奴だったな。


 ああ、懐かしい。


「君は強い。おそらく私よりも。だからこそ――」


 クレインが剣を構えた。


「君と戦うことで、私はもっと強くなれるはず」

「えっ、バトル続行の流れ!?」


 ……まあ、いいか。

 久しぶりに手合わせしてみるとしよう。


 俺自身のトレーニングにもなるしな。




 俺たちは五メートルほど離れ、向かい合った。


「君、不思議な気配をまとっているね。魔力が高いけど、随分と濁った……禍々しい魔力だ」

「ちょっと事情があってな」


 まさか魔族と融合してます、なんて言えるわけもない。


 クレインは魔法も剣も超一流の使い手だ。


 その初撃が魔法で来るか、剣で来るか――。

 いくら俺でも読み間違えれば、敗北とまではいかなくても、劣勢になるかもしれない。


 慎重に対応しないとな。


「剣の方は素人くさい構えだけど、不思議と隙がない。素のステータスが高いのか……?」


 クレインがスッと目を細める。


「というか、私の構えにちょっと似てる……うーん……?」


 これも正解。


 俺は正式に剣を習ったわけじゃない。


 ただ勇者パーティの戦士ガードナーや、ほかならぬクレインに剣の手ほどきをしてもらったことはある。


 だから、俺の基本の構えは二人から習ったものが色濃く出ているんだ。

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忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


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