4 魔法剣士クレイン
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新作『仲間に裏切られた俺は魔王に転生する。俺だけの最強国家を魔界に築き上げ、最強魔族の軍団を編成したので、地上にいる仲間の領土に侵攻する。さあ、待ってろよ裏切り者ども。』を始めました!
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二日目の行程、今日も俺たちは馬車で先へ進む。
その昼下がり――、
「っ!? 御者さん、止まってもらえますか!」
ふいにシリルがハッとした様子で顔を上げた。
「? どうしたんだ?」
「私のデータによれば……この魔力波長は彼女です」
「えっ」
馬車が止まり、シリルが地面に降りた。
それに続く俺。
「なあ、彼女って誰のことだよ――」
「――来ます」
シリルが告げる。
次の瞬間、背後から殺気が膨れ上がった。
ぎんっ。
振り向きざまに、俺は剣を抜いてその攻撃を受け止める。
「へえ、今のを防いだか。やるねぇ、君」
俺に斬りかかってきたのは、薄桃色の髪を長く伸ばした女剣士。
冷然とした美貌に、俺より頭一つ高い180センチ近い身長。
軽装甲冑をまとい、その上からマントを羽織っている。
「君は――」
勇者パーティの一人、魔法剣士クレインだった。
どこの国にも所属せず、辺境で腕を磨き続けてきた謎の魔法剣士――。
クレインは勇者パーティに加わり、すぐに頭角を現していった。
まさに腕一本で駆け上がったサクセスストーリーといえる。
……と、それはいいんだけど、
「なんでいきなり斬りかかってきたんだ?」
「君が強そうだったからね」
俺がジト目で見ると、クレインはこともなげに言った。
「修行だ。強そうな奴に斬りかかる。勝ったら、もっと強くなれる。負けたら、それを糧にもっと強くなれる。じっちゃんの教えだよ」
「それ、やられた方からしたら迷惑すぎるんだが……」
とはいえ、クレインは昔からこういう奴だったな。
ああ、懐かしい。
「君は強い。おそらく私よりも。だからこそ――」
クレインが剣を構えた。
「君と戦うことで、私はもっと強くなれるはず」
「えっ、バトル続行の流れ!?」
……まあ、いいか。
久しぶりに手合わせしてみるとしよう。
俺自身のトレーニングにもなるしな。
俺たちは五メートルほど離れ、向かい合った。
「君、不思議な気配をまとっているね。魔力が高いけど、随分と濁った……禍々しい魔力だ」
「ちょっと事情があってな」
まさか魔族と融合してます、なんて言えるわけもない。
クレインは魔法も剣も超一流の使い手だ。
その初撃が魔法で来るか、剣で来るか――。
いくら俺でも読み間違えれば、敗北とまではいかなくても、劣勢になるかもしれない。
慎重に対応しないとな。
「剣の方は素人くさい構えだけど、不思議と隙がない。素のステータスが高いのか……?」
クレインがスッと目を細める。
「というか、私の構えにちょっと似てる……うーん……?」
これも正解。
俺は正式に剣を習ったわけじゃない。
ただ勇者パーティの戦士ガードナーや、ほかならぬクレインに剣の手ほどきをしてもらったことはある。
だから、俺の基本の構えは二人から習ったものが色濃く出ているんだ。
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