8 最悪の同盟
「どうして、アベルがここに……」
「性格には彼の精神体だ」
シャドウがニヤリと笑った。
「彼の持つ魔剣と俺の魔力をもってすれば、不可能ではない。相応のリスクは伴うが――」
「リスクだと?」
「ああ、心配するなよ。お前にはなんのリスクもない。リスクを負うのは、奴の方だ」
「ここで敗れた場合、俺の精神は四散するそうだ。要は心が死ぬということ――」
アベルが凄絶な笑みを浮かべた。
「もう二度と『俺』という存在は回復しないし、再生もしない。魂を失った抜け殻の肉体だけが残る」
「アベル……」
「だが、そうはならない。俺とこのシャドウでお前を徹底的に打ちのめす」
「アベル――」
「復讐の時だ、カイン」
アベルが俺を見据えた。
「そして、すべてに決着をつける」
静寂の世界で今――俺とアベルの、最後の戦いが始まる。
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