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チョコレートの話

作者: 漢信彦

 一口食べれば海外旅行

 私はこの茶色い固形物に救われた。一口食べれば海の向こう、どこでも行ける異国の空気、気分が上がるよどこまでも。口からこぼれた歌が、香りが、すべてを開放する。一週間の疲れが嘘のように無くなった。

 たまに食べすぎのせいか、開放感の後ひどく体調が悪くなる時がある。


「大丈夫、、、私はまだ生きている」


 仕事に行こう。気が付くと月曜日、大丈夫少し疲れてるだけだ、チョコレートを食べて会社に行こう。

 いつもの玄関、いつもの道、いつもの駅、あれ?気が付くと線路の真ん中にいた。電車は目の前、もう助からないそんな距離。

 原因は茶色い固形物。昔母に言われていたことを思い出した、私はチョコレートアレルギーなのだと。息ができなくなるなどの症状はないが、一時的に記憶が無くなったり、ハイになるんだと言われた。

 じゃあ何故食べたんだ?と言われそうだが私は今まで忘れていたんだ、1カ月前に父と兄が死に母がおかしくなった。独り言を言うようになり、私に無理やりチョコレートを食べさせた。

 母は今どうしているのだろうか。

 鉄の棺桶が私を引きずった。

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