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今日も俺はテンプレを渇望する  作者: ポン酢もみじおろし
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特技はテンプレ破壊です

「今日も疲れたなー圭吾」

「そうだなー」

俺は気の抜けた返事を泉に返す。俺の名前は佐藤圭吾。県内でも有数の進学校…ではなく普通の高校に通う1年生だ。

「今から行く喫茶店はマジでコーヒーとハニートースト美味しいから期待しとけよ!」

このガツガツくる感じで話してくるのは友達の泉涼太。

幼なじみとか入学初日から意気投合して仲良くなったとかそういう訳ではなく今日仲良くなったクラスメイトだ。きっかけは俺が読んでいた雑誌で泉は喫茶店が好きらしく雑誌の表紙を見て話しかけてきた。そこからはもう2人とも自分の好きなことについてたっぷり話した。話しているの途中で学校の近くにおすすめの喫茶店があると言っていて、行ってみたいと頼むと

「じゃあ放課後に二人で行こうぜ」

と快くOKしてくれてこうして放課後喫茶店に向かっている。どんな喫茶店か心を踊らしていると

「おい圭吾、あれ近藤さんじゃないのか?」

泉が指を指している方を見るとうちの学校で美少女の名を欲しいままにしている近藤由希がいた。

「いつ見ても綺麗だよなー」

「確かに綺麗ではあるな」

「ん?確かにどういうことだよ、あんなに綺麗で成績優秀スポーツ万能の近藤さんのどこが不満なんだ?」

「いや、不満なわけではなくて、俺からしたら雲の上の人だからあんまり近藤さんとどうこうしたいとかがないからさ」

何せ近藤は学校でファンクラブなんか作られてる人なのだ、どこのアニメのヒロインだよ!そんなやつと付き合いたいとか思っても不幸なことになるに決まってる。

「まぁそうだよなー」

「あぁ、ああいうのは関わらないのが1番だよ」

そうこうしてるうちに近藤は違う方向の横断歩道を渡り始めた。

「やっぱり綺麗だなー」

「おい、泉あのトラックおかしくないか?」

向こうから交差点の赤信号にほとんど減速せずにトラックが突っ込んできているそのトラックの運転席を見ると

「運転手がいない!!」

「は?!何だって?!」

トラックと近藤の距離はどんどん縮まっていく。近藤はトラックに気づいていてないようだ。クソっ!俺は意を決し横断歩道を渡っている近藤の元へ走った。

「あとは頼んだぜ!泉!」

「おい、圭吾!」

泉は手を伸ばして俺を止めようとするがもう遅い。あって数時間のやつにそこまで一生懸命になれるお前はきっとモテるよ…ぐすっ…

俺はようやくトラックに気付いた近藤を突き飛ばしトラックに引かれて意識を失った。

うぅっ…強い鈍痛に頭を押え目を開けた。え、なんで痛みなんか感じてるんだ?ぼやける目を擦り当たりを見渡すとそこは見たことがあるような空間だった。

いや、ようなでは無い。何回も見たことがある。これまで何度も夢想した憧れの異世界転生の女神様がいるところだ!

道のない広大の空間で光がある方向へ歩いていくと案の定神々しいオーラを纏った中性的な人物がいた。

イメージ的にはノゲ○ラのテ○を想像してくれたらいいと思う。まぁノゲノ○よく分からないから○トは女の子って決まってたりするのかもしれないけどそこはスルーしてくださいまし。

さて話を戻そう、その神々しい人物に近づくと

「ようこそいらっしゃいました圭吾様、私は輪廻神エストラルカと申します」

キター!!転生モノのテンプレキター!!近藤を助けたのは9割は正義心からだけど1割はトラックに引かれたら転生できるかななんて甘い考えもあった訳だが期待どうりに転生だァ!!

「あの、これって異世界転生ってことでいいんですか?」

「ご理解が早くて助かります。これからあなたには異世界に行って魔王を倒してもらいます。」

これまたテンプレ展開来たぁ!!

「じゃあチートとかも貰えたりするんですか?」

「もちろんですこちらからお願いしているのですから特典の能力を1つお付けしますこのリストの中からお選び下さい」

「分かりました!」

どれにしようかな♪ここは無難にマップスキルかな?

いや、戦闘系統の方がいいかなどうしよ!あれ?というか俺の身体透けてね?

「あのぉー女神様?俺の身体透けてるんですけど…」

「え?!なんで透けてるんですか?!」

「いや、俺が聞きたいですよ!?」

「ちょっと待ってください…え?!何故か圭吾さんは生き返ることになってます!」

「はっ?!いや死んだからここに来たんじゃないんですか?!」

「はい、そのはずですが何かイレギュラーが起こったようで…」

「ってことは…異世界転生はなしですか…?」

「ということになります…」

うぎゃぁぁぁぁああああ…嘘じゃん…

「ですが落胆せずに人生の続きを楽しんできてください。あなたに神の祝福があらんことを」

「はい…」

そして俺は強い光にに目を閉じた。再び目を開けるとそこには知らない天井と美少女の顔があった。

思えばここから俺の人生はおかしい方向に変わっていったのだと思う。

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