表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/28

三話 タイガ

「おはよー」

 一階にある食堂に向かうとすでにジミーが朝食を食べていた。

「おー!斗真。おはよーさん。ゆっくり寝れたか?」

 ジミーの隣の席に座りながら

「うん。ジミーのおかげでゆっくり寝れたよ。」

 ニッコリ笑いながら言うとジミーは照れながら

「よせやい!それより今日もやるよな!?」ニヤリと笑いながら言うジミーに

「もちろん!金稼がないと。ちなみにダンスはブレイクダンスだけじゃなくて、他にもロックとかポップとかまだ種類があるから後で見て、またそれに合う曲の演奏頼むよ!」

 そう言うとジミーは嬉しそうに

「まだ種類があんのか!クーッ!やりがいあるねー!こうしちゃいられねー!おい!斗真。俺は色々準備があるからまた後で部屋に行くからそれまでゆっくりしといてくれ」

 残りのパンとスープを急いでかきこみながらそう言うと足早に去って行った。

 すると宿の女将さんがやって来て

「はい。今日の朝飯だよ。」とパンとスープをテーブルの上に置いた。

 置かれたパンをスープに浸しながら食べ、物思いにふけていた。 

(はぁー。色々あった1日だったなぁー。寝て起きても夢じゃないってことは、やっぱり異世界に来たんだよなー。これからここで生活していくのかー。キャンパスライフが異世界ライフかぁー。)

 一応軽くジミーにこの世界にの事は教えてもらった。この世界には主に人族とエルフと獣族の3か国あり、昔は戦争していたが、決着がつかず3か国不可侵不干渉の条約を結びそれぞれ平和に生活をしているとの事。たしかにこの町ではエルフも獣族も見ていない。ただ、ゴブリンやオーク等の魔獸がおり、そいつらが時折人里に現れて襲ってくるようだ。だから異世界と言えばの冒険者ギルドも魔法もあるとの事。ジミーも軽く魔法を使えるみたいで、テンションを上げたり、気持ちを楽にさせたりする事が出来るらしい。


(まっ!当面はジミーとダンスで稼いでおいおい考えて行くか!さっ!俺もダンスの構成考えないとな!)


 残りのパンとスープを書きこんで自分の部屋に戻って行った。


 ~1週間後~


 いつもの噴水の前の広場にて二人は楽しそうに話していた。

「ジミー!今日も大盛況だったね。」

「おー!この調子だとまだまだ稼げそうじゃわい!ガハハハッ!」とその時二人のもとへ体格のいい無精髭を生やした男がやって来て俺に向かって

「おい!坊主。さっきのダンスの中で後方に手を使わず回っていたがもう一度見せてくれねーか?」 

(バク宙のことかな?)とよくわからなかったが顔が怖いのでとりあえずやってみせた。

「ッと。これでいいかな?」

「随分簡単にやんじゃねーか!おめーならもう一回ぐらい回転増やしても回れるじゃねーの?」

 何を言いたいのかよくわからなかったが

「うーん。助走つけたら出来るかもしれないですけど。」そう言うと男はニヤリと笑って「助走は無しだ」

 その時男はその場でジャンプをしてバク宙2回転をやってみせた。

「これ出来るかい?」

 自慢したいのか、喧嘩を売られているのかと判断しかねる所はあったが、負けず嫌いの性格からやってみようとした。

 軽くジャンプをして、体をほぐし、何回か高くジャンプしている内にいつもより高く飛べている感覚になり、

(このタイミングなら、)

 と先ほどの男より軽やかにバク宙2回転をしてみせた。 

「ほー。やるねー。坊主。明日冒険者ギルドに来い!待ってるぜ!」そう言い残して男は去って行った。


 何だったんだろう?と首を傾げた後でジミーを見てみるとワラワラと震えていた。

「ジミー。さっきの人知ってんの?」

 それを聞いたジミーは「斗真。あの人誰だか知らねーのか?あの人が20年前にドラゴンを倒したパーティーの一人のタイガ様だ。今はここホライズンでギルドのマスターをしている。」


「へー。凄い人なんだねー。」

 とあっけらかんに言う俺に対してジミーは

「いやいや、お前は事の重大さがわかっちゃいねー!この世界では階級が上の人に誘われたり、お願いをされるって事は名誉な事だ。ましてやドラゴンスレイヤーのタイガ様とあっちゃーよっぽどの事がない限りは逆らわねーのが世の常だ。残念だが、今日限りで解散だ。」

「えー!!そうなの?ってかジミーはこれからどーすんの?」

「俺かい!?俺の本業は吟遊詩人だぜ。色々な町に行って噺を仕入れて、それを語るのさ。斗真。お前とやれたことでなんか吹っ切れたってゆーか、再び俺の中の情熱がメラメラと燃えてきたんだ。いつか斗真の物語も語れる日がくるといいな。」


「ジミー………」

 そう言うとジミーはニッコリ笑って

「湿っぽいのは無しだ。今日は斗真が伝説の冒険者になる前祝いと行こーじゃないか!!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ