二話 ジミー
「おじさん。ダンスって言えば何?」
突然予想もしてなかった質問におじさんは戸惑いながら、
「ダンスっていえは、貴族がパーティーかなんかで踊るやつじゃろ?」
(やっぱそうだよなー。)
「じゃあおじさん。ブレイクダンスって聞いたことある?」
「あ??ブレイクダンス?なんじゃそれ?」
「こーゆー踊りなんだけど…」
俺はベンチから立ち上がって、なるべく平らな所へ行って軽くインディアンステップ等の立ちステップからパワームーブのウィンドミルからのジョーダン!
「見たことある?」
「いや、初めて見るダンスじゃ………なんか迫力があって……兄ちゃんの故郷の踊りか?」
俺は頭をかきながら、
「まあー。そんなとこ。ってか俺の踊りとおじさんの楽器でコラボすればお客さんがお金入れてくれるんじゃない?」
「コラボ?」
「あーあー。一緒にって言う意味。どう?」
おっさんは腕を組んで頭を少し垂れて
(うーん。どうせこの調子だと次の町に行かないかんかったし、これでもし稼げるんなら次の町に行く資金になるだけじゃし、これがダメでもどうせ次の町に行くだけじゃからのー……)
おっさんは頭を上げて
「よし、やってみるか!」
その声を聞いた俺は目を輝かせて
「おっさんならやってくれると思ったよ!」
と笑いながら手を差し出した。するとおっさんも手を差し出し
「おっさん言うな!わしはジェームスじゃ。兄ちゃん。名前は?」
「ゴメン。ジェームスさん。俺は中崎斗真。斗真って呼んでくれ。」
「わしの事もジミーでええわい!相棒!」
二人は握手して互いに笑った。
「じゃあ、さっきのダンスに合うような感じで弾いてね!」
テンガロンハットのおっさんことジミーは
「わかっとるわい!けど、まず人を集めんとなー。ちょっと集めてくるから待ってろ!」
そう言ってジミーは走って行き交う人に声を掛け10人くらい集めこう言った。
「お前さん達は運がいい!今王都で流行りのダンスをお見せしよう!」
そう言うとジミーは楽器を弾き始めた。
(おー!!なかなかいい曲じゃん!じゃあ、早速いきますか!
~ダンス後~
「どーも!ありがとう!」
(拍手ないけど、どーかな?)
不安ななりつつ観客を見ると皆呆然として静けさが立ち込めていた。が、すぐに歓声が沸き上がった!!!
「すげーぞ!兄ちゃん!あんな動き見たことない!」
観客は見たこともないダンスに驚き、音楽に酔いしれ心を揺さぶられていた。その歓声を聞き観客が集まり始め、再度アンコールに応え踊った。
「結構お金入れてくれたね。」
「ああ。こんなに集まったんは初めてじゃ!取り分決めとらんかったが………みんな兄ちゃんおかけじゃけーわしは3割でええわい!」
すると笑いながら「何言ってんの!二人でやったんだから半分ずつでしょ!」
「しかしのー………」
困った感じでジミーが言って来たので
「俺たち相棒でしょ!」と手を出し
「悪いの!そのかわり色々町の事を案内するけーの!」と出された手を握り返し本日二度目の握手となった。
その後ジミーの泊まる宿を紹介してもらい、異世界で初めての食事を食べてゆっくり眠ることとなった。