最終回 ハネムーンへ出発っす!
ガウラの古城で一同は温かい風呂に入り、またもピザを大量にとって食べた。
ワインは飲み放題だ。
タナは綺麗な服に着替えてソファにゆったりと座っている。
ボサボサに伸びた髪は肩より長い。
タナ
「リオ、お前は生まれながらに弱かったから、親父が逃すことにしたんだ。あの時、アサシンしかたくせるものがいなくて。」
リオ
「でも僕は売られたって。」
タナ
「アサシンはそっちの方が何の疑問も持たず引き取ると思ってのことだよ。」
リオ
「お父さんとお母さんはどうなったの?」
タナ
「みんな、サルウィンと戦って死んだよ。」
リオ
「……………………。」
タナ
「俺はうまく逃げ切ったが、半年前に捕まってここで血を毎日取られていた。」
タナはリオの手を取った。
タナ
「お前を探していたんだよ。お前が生きていてくれて本当に良かった。」
リオ
「お兄ちゃん!」
リオは大粒の涙を流してタナと抱き合った。
………………………………………………
ドラア
「親衛隊!一人の犠牲も出さずよく戦った!リオからほっぺにキスのご褒美があるぞ!」
一列に並んだ親衛隊が雄叫びをあげる。
リオ
「ほっぺにチューなんてけち臭いことしないっすよ!」
リオはドラアの襟元を掴んで唇にキスをした。
ドラアは固まって放心状態のまま倒れた。
リオは笑いながら次から次にキスをしていく。
ピーテ
「リオ…!」
ピーテはリオの腰に手を回してキスをした。
そのまま離れずに口の中に舌をいれる。
クリシュナ
「こら!舌を入れるな!」
クリシュナの睡眠吹き矢が飛んだ。
ピーテ
「ふん……。」
ピーテは余裕で吹き矢を指でとって、ドヤ顔で笑う。
クリシュナ
「ちいっ……!」
キスをされて鼻血を出してぶっ倒れたり、大泣きしたり、絶叫したりする親衛隊員が続出した。
ガウラは奥の豪華な椅子に座って呆れている。
………………………………………………
アサシン達は飲んで騒いでパーティを大いに楽しんでいる。
クリシュナとリオは喧騒から離れてバルコニーに出た。
クリシュナ
「リオ、良かったな。お前は親に売られたわけじゃない。愛されてた。」
リオ
「そっすね…俺………お父さんとお母さんの分も頑張って生きるっす。」
リオは空の星を見上げて言った。
クリシュナはそんなリオを見て微笑んだ。
クリシュナ
「もう、俺が死んだら自分も死ぬなんてこと…言えなくなったぞ。リオ。」
リオ
「あ…………そっすね………。」
リオが驚いた顔でクリシュナを見た。
そして顎に手を当てて悩みだした。
クリシュナ
「俺が死んでも、生きてくれよ。」
リオ
「う〜ん……さみしいけど…しょうがないっすね…。死んだらお父さん達に怒られるっす。」
クリシュナ
「うん、俺もお前が死んだって死なない。生きてみせるさ。」
リオ
「うん。」
クリシュナ
「だけど…一生お前だけだ、愛するのは………。誓う。」
リオ
「え……、うん。」
クリシュナ
「それに……死ななきゃいい。それだけのことだ。」
リオ
「そう、それっすよ!」
急に空の月や星が雲で覆われて、ポツポツと雨が降り出した。
クリシュナ
「雨か、ロワールはよく雨が降るらしいな。すぐに霧が出るらしい。」
リオ
「へえ。」
リオはバルコニーから見える森を見つめながら何かを考えているようだった。
珍しく真面目な顔をして。
雨が本降りになってきた。
クリシュナ
「降ってきたぞ、リオ、中に入るぞ。」
リオ
「待って、えっと、待って。」
クリシュナ
「どうした、濡れるぞ。」
リオ
「えっと……その………。俺……………。」
クリシュナ
「リオ……………?」
リオ
「クリシュナ………愛してるっす……。」
リオは頬を染めて切なそうにへにゃっと微笑んだ。
雨は土砂降りになって二人を打ち付けた。
クリシュナは駆け寄ってリオの唇を塞いだ。
二人は雨に打たれながら笑い合いながらキスをする。
テラスの窓越しに親衛隊隊員達は、首を振ってため息をつきながら二人の様子を見ていた。
ファイブナイツもあきらめ顔で二人を見て微笑んでいる。
温かい気持ちで二人の門出を祝う。
一人を除いて………。
ずぶ濡れでバルコニーから抱き合って戻ってきた二人の前に、リオの兄のタナが立ちはだかった。
タナ
「リオ、これはどういうことだ。このアサシンとはどういう関係なんだ!」
リオ
「恋人っすよ。」
クリシュナは目を見開いて嬉しそうに微笑んだ。
タナ
「ぬわにいいいいい!許さんぞ!絶対に許さんぞ!」
リオ
「え……、どうしてっすか?」
タナ
「言っただろ、俺はお前をずっと探してたんだぞ!お前は俺と一緒に暮らすんだ!」
タナは大声で怒鳴りまくった。
タナ
「こんな、暗殺家業なんかやめて真っ当に俺と生きるんだ!」
タナはさらにクリシュナを睨みつけた。
タナ
「しかも、こんなどこの馬の骨とも分からん、アサシンとなんか、絶対に許さん!」
リオ
「クリシュナは馬の骨じゃないっすよ。」
リオはムッとしている。
タナ
「しかも、男だぞ!子孫を残せないじゃないか!」
リオ
「そんなの知らないっすよ、お兄ちゃんが女の人と結婚すればいいじゃないっすか。」
タナ
「なんだと!!!」
タナがリオの襟首を掴んで腕を振り上げた。
リオは目をつぶったが、拳は飛んでこなかった。
しっかりクリシュナがタナの拳を掴んでいる。
クリシュナがタナを睨みつける。
タナも負けじと睨みつける。
その時リオはネマン導師の顔が目に入った。
その近くにいるマスターアサシン達のニヤニヤ顔も。
リオ
「喧嘩は終わりっす!わかったっす!お兄ちゃんの言う通りにするっす!」
リオは二人を離した。
リオ
「お兄ちゃんは俺の唯一の家族っす。大事っすもん。お兄ちゃんと一緒に暮らすっす。」
タナ
「わかってくれるのか!リオ。」
リオ
「うん……、お兄ちゃんにはもう寂しい思いさせたくないっす。」
タナ
「リオ!」
リオ
「アサシンももう、やめるっす。」
タナがリオを抱きしめた。
リオ
「お風呂に入って、今日はお兄ちゃんと一緒に寝るっす。」
タナ
「リオ、ああ、そうだな、昔みたいに一緒に寝よう。」
タナは涙ぐんでいる。
リオ
「クリシュナ、ごめんっす。俺、やっぱりお兄ちゃんを一人にできないっすよ。」
クリシュナ
「リオ…………。」
クリシュナは訴えるような瞳でリオを見た。
リオ
「本当にごめんっす。行こう、お兄ちゃん。」
タナ
「ああ、一緒に風呂に入ろうな。」
タナはクリシュナを見てニヤリと笑った。
………………………………………………
クリシュナは城の一室でワインを瓶ごと飲んで古いベッドに寝転がった。
クリシュナ
(俺は馬鹿だ…。リオの家族はあいつなんだ。もうリオは天涯孤独じゃない…。)
クリシュナは生気を失った瞳で宙を見つめている。
クリシュナ
(血は優先される。俺はリオにとってただの…ただの…。)
バタンと扉が開いた。
大きなリュックをからったアサシン姿のリオが飛び込んできた。
リオ
「クリシュナ!何してるっすか!早く行くっすよ!」
クリシュナ
「…………はっ?」
リオ
「………はっ?っじゃないっすよ!」
リオはクリシュナの両肩を掴んだ。
リオ
「駆け落ちするっす!」
クリシュナ
「…………。」
リオはクリシュナの道具を袋に入れて肩にからった。
リオ
「ほら、ハネムーン行くっすよ!世界を食べ歩くっす!」
クリシュナ
「……………………。」
リオ
「行かないっすか?」
リオが不安な顔で聞いた。
クリシュナ
「………………行く。」
リオがへにゃっと笑った!
リオ
「お兄ちゃんには睡眠吹き矢を3本打っておいたっす。しばらく起きないっすよ。今のうちっす。」
クリシュナ
「全く、お前どこでそんなこと覚えたんだ。」
リオ
「叶わない相手とは真正面から戦わないっす!アサシンの技っすよ!」
クリシュナは笑った。
………………………………………………
まだ少し雨が降っている。
二人は雨よけの分厚いマントを被り、一頭の馬に二人で乗って城を飛び出した。
振り向いたリオがへにゃっと笑う。
クリシュナも笑ってリオにキスをした。
おしまい
R18 に「俺のアサシン 二人が結ばれるシーン」を追加しました。エピローグの続きのお話です。
R18に短編 「俺のアサシン 〜凌辱シーン〜 ***閲覧注意***」を追加しました。




