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俺のアサシン  作者: 雪村宗
ハニームーン
26/30

囮とマーカムのカニ

クリシュナ

「毒味、してくれ…。」


リオは葡萄を一粒口に入れた。


クリシュナはリオに口付けて下を差し込んで葡萄を転がしながら受け取る。


リオ

「はあ………。」


クリシュナ

「ご苦労。」


天蓋付きの特大ベッドで二人は寄り添ってフルーツをつまんでいる。


ベッドの前には大きな窓が開かれていて、目の前は青い海だ。


デッキには露天風呂、デッキの下は魚が泳いでいるのが見える。


ザザーーン…………ザザーーーーン…………という波の音、カモメの鳴き声。


二人は最高のロケーションを楽しみながらキスをした。


クリシュナ

「ああ………もう…。あれから何日経った?」


リオ

「えっと…セックスして、寝て、カルパッチョとサンドイッチ食べて、お風呂入って、セックスして、寝て、お風呂入って、シーフードカレー食べて、泳いで、セックスして、お風呂入って、寝て、ペスカトーレ食べて………………。」


クリシュナ

「なんか、生々しいからやめろ。」



突然海からアサシンが飛び出てきた。


ボルタだ。


リオ

「ボボボ…ボルタ先輩!」


ボルタ

「おい、お前らいい加減仕事しろ!もう、一週間だぞ!」


クリシュナ

「一週間……マジか……。」


リオ

「うっわあ、筋肉なくなっちゃったかも。あははは」


リオがへにゃっと笑った。


クリシュナは青くなった。


クリシュナ

「このままじゃダメだ、よし、仕事だ!行くぞ!リオ!」


リオ

「了解っす!」


リオはベッドから立ち上がってこけた。


クリシュナがさらに青くなる。


ボルタ

「また、特訓からやり直しか?」


と言って笑った。





………………………………………………



お洒落な海辺のカフェにて、3人はテラス席に座った。


ボルタ

「どうも、コデイン教にとって、リオの一族の血は特別なものらしい。」


ボルタはタピオカミルクティをすすった。


クリシュナ

「なるほどな。」


リオ

「美味いっす!」


リオはスイカをまるごとくり抜いて、ミルクかき氷を入れたスイーツを食べている。


クリシュナ

「…………………。」


リオ

「ん。」


リオはスイカの身の部分をすくってクリシュナの口に入れた。


ボルタ

「リオ、お前が狙われてるんだ…。ふがっ。」


リオはボルタの口にも入れた。


クリシュナ

「美味いな。」


リオ

「っすよね!」


リオは嬉しそうにへにゃっと笑った。


クリシュナはう〜んと唸りながら、リオの顎を持ち上げてキスをした。


ボルタ

「おい、こら!イチャつくな!」


リオ

「あ!いい事思いついたっす!」


リオは目を輝かせた。


リオ

「俺が囮になるっす!」


ボルタ

「そんな危険な……。」


クリシュナ

「いいな!コデインホイホイだ。」


ボルタ

「おいおい……。不安だ。」






………………………………………………



リオは真っ赤なチュニックに白いショートパンツをはいて街を歩いた。


もちろんフードはかぶらず、白い髪と紫色の瞳を堂々とさらしている。


色々な店で買い物したり、海の神神殿の参拝やら、ビーチを散歩したりうろうろした。


一人だったので何度も何度もナンパされまくりながら。


影に隠れて見ていたクリシュナとボルタはナンパしてくる輩がリオにベタベタ触ろうとするのを見てストレスが溜まった。


クリシュナ、ボルタ

(殺したい…。)


リオはマーカム独特のマークが入ったシャツを買ってご機嫌そうだ。


その時、黒いフードの男が左右からリオを挟んだかと思うとリオの腕を掴んで歩き出す。


リオはカクンと首が垂れている。気を失っているようだ。


クリシュナとボルタはお互い目配せすると、その後を追った。


リオが連れて行かれた先はマーカム一の大金持ちの家だった。


リオを見たブヨブヨの大金持ちの男は満足げな顔で笑い、鼻息荒くリオの顎を持ち上げようとした瞬間、天井から飛び降りてきたクリシュナの剣で切り裂かれた。


ボルタが二人の手下を同時にアサシンのブレードで暗殺。


崩れ落ちるリオをクリシュナが抱きかかえて、風のように立ち去った。







………………………………………………




リオ

「かんぱーーい!」


マーカムの食堂で3人はジョッキをうちならした。


クリシュナ

「早かったな。」


ボルタ

「リオ、体は大丈夫か?」


リオ

「全然、大丈夫っすよ!寝てる間にミッションクリアーとかサイコーっすねえ。あ、海鮮焼きそばくださーい!」


クリシュナは山盛りのカニとエビとフィッシュフライをモリモリ食べている。


ボルタ

「ここは、海の幸が豊富だな。」


クリシュナ

「ああ、カニ、美味い!」


リオ

「クリシュナはもしかしてカニが好きっすか。」


クリシュナ

「カニは初めて食べたが、本当にやばい美味さだ。」


リオ

「っすよね!」


リオもカニを頬張る。


ボルタ

「へえ、そんなにか?」


ボルタもカニを一口食べて目を見開いた。


ボルタ

「う、美味いな……!」


リオはへにゃっと笑う。


ボルタはリオを抱きしめた。


それを見たクリシュナがボルタの顔を押す。


クリシュナ

「これは俺のだ。」


ボルタ

「いいだろう!もう親衛隊規則はないんだから、リオちんに気兼ねなくベタベタできる。俺はリオちんが10歳の時から好きなんだぞ。」


クリシュナ

「10歳だと…。」


ボルタ

「あの頃のリオちんはそれはもう天使のように可愛くてなあ、抱きしめると綿のようにふわふわで柔らかくて温かくてなあ、殺伐としたアサシン達の心の癒しだったんだよ。俺は誓ったんだ、リオちんを傷つけないように守るって。」


クリシュナ

「ああ………なるほどな、それでこんなアサシンに育ったわけか。」


ボルタ

「お前はあの頃のリオちんを見てないから、そんな事が言えるんだ!あらゆるものから守りたくなる、絶対に傷つくところなど見たくないと、思わずにはいられないんだよ!」


ボルタは泣きながらリオを抱きしめている。


クリシュナ

「おいおい、酒癖悪いぞ。」


リオ

「あ!海鮮焼きそば来たっすよ、ボルタ先輩、食べましょ。ね、泣かないで。」


リオがボルタの背中をポンポン叩いて慰めた。


クリシュナ

「ボルタ、俺は小さい頃のリオを知らない。だからその時のことを話してくれないか?どんな子供だったのか。」


ボルタ

「お、おお!いいぞ!」


ボルタの腕から解放されて、リオは海鮮焼きそばを食べ始めた。


ボルタ

「あれはなあ、リオが教団に来て初めての誕生日だ。普段は誕生日を祝うなんて習慣がない俺たちなんだが、なんと全員がリオにケーキを買って来ていた。質素なアサシン教団のテーブルがカラフルなケーキでいっぱいになったんだぞ。マジで笑ったよ。」


ボルタの話はずっと続いた。


クリシュナはテーブルの下でリオの左手を愛おしそうに握った。



つづく

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