シルダリアライスとトルティーヤと欲求不満
オアシスにある小さな国〜シルダリア
リオ
「クリシュナ!あったっすよ!シルダリアライスのお店!ピンクサボテンって看板出てるっす。」
クリシュナ
「いいね!」
かなりの暑さのため、二人は通気性の良い麻の白シャツ一枚とフードだけになっている。
大きなサボテンが飾ってある店に入った。
なかなかの繁盛ぶりだ。
リオ
「シルダリアライス二つ!チーズ入りで。あ、ジャスミンティーも二つ!」
リオがアサシンらしい早業で、若いウェイトレスを捕まえて注文した。
クリシュナ
(こういう時は迅速なんだよなw)
リオ
「クリシュナ、少し休んだ方が良いっすよ。俺が街の事調べておくっす。」
リオはクリシュナの薄い金色の前髪を指で掻き分けながら瞳を覗き込んだ。
クリシュナはパシリとリオの手を掴んでテーブルに置いた。
クリシュナ
(触られるとヤバイ…ああ〜俺、相当たまってる。)
クリシュナ
「シルダリアライス食べたら、宿とって少し寝る。」
リオはウンウンと頷いた。
リオ
「おお〜これがシルダリアライス!美味しっす!」
クリシュナ
「うん、美味いな!」
初めてのスパイシーな味付けに二人は夢中になった。
食べ終わって見るとリオの口の端っこにべっとり赤いソースがついている。
クリシュナはリオの顔に触れようとしたが、さっと手を引っ込めた。
クリシュナ
「…………リオ …………口……ついてる………。」
リオは指でとると、ペロリと舐めた。
そしていつものようにへにゃっと笑った。
クリシュナ
(ああ………もう…何をやってもリオが可愛いく見える……おかしくなりそうだ…。)
クリシュナは椅子から立ち上げると「じゃあ」と言って店を出て行った。
リオは小さく手を振っている。
リオ
「すいませ〜ん、シルダリアプリンひとつくださ〜い。」
そしてデザートを注文した。
……………………………
リオは街で一番高い塔の上に登って一周グルリと見渡した。
オアシスといっても小さな街ではない、大きな湖が五つもあり、その周りに沢山の建物がある。
真ん中あたりには大きな二階建ての議会場がそびえ立っている。
リオはオアシスの湖にダイブして泳いで議会場に近ずいた。
中ではちょうど議会の真っ最中で五人の議員が円卓に座って話をしている。
五つの湖からそれぞれの代表が選出されて政治を行うシステムである。
リオは吹き抜けになっている二階のテラスから様子を伺っていたが、内容がさっぱり頭に入ってこない。
せめて五人の顔を見ておこうとテラスから大きな柱の縁に飛び移ろうとして落っこちた。
リオ
「いたたたた………。」
フードがとれて白髪と紫色の瞳をした美しい少年が五人の議員の目にさらされた。
「え、衛兵!」
リオ
「や……やば!」
リオは素早く二階のテラス窓から逃げ出して、またオアシスの湖にダイブした。
……………………………
クリシュナ
「リオ!こっちだ!」
高い塔の上から呼ばれてリオは塔の壁をよじ登った。
クリシュナ
「どこ行ってた、探したぞ。」
リオ
「へへ…。」
クリシュナがギロリとにらんだ。
リオ
「な…何もしてないっすよ、そだ、トルティーヤ一緒に食べるっす。」
リオは紙袋から取り出したトルティーヤをクリシュナに押し付けた。
二人は塔の端に座ってトルティーヤを頬張る。
クリシュナ
「う、美味いな…。世の中には美味いものがたくさんあるんだな。」
リオ
「そっすね!マジ美味いっす!」
夜の帳が降りてどこからか神への祈りの歌が聞こえてくる。
二人はぼんやりとした優しいオレンジ色のたくさんの光をしばらく眺めた。
リオ
「綺麗っすねえ。」
クリシュナ
「それになんとも言えない物悲しい感じがいいな。」
リオがピタッとクリシュナの腕にくっついた。
クリシュナ
「リオ…やめろ。」
クリシュナはリオの腕を払う。
リオ
「…………、怪しっすね…、何か隠してるっすね。」
クリシュナ
「な……。」
リオ
「クリシュナっあれ!」
クリシュナはリオの指差した方を見た、その瞬間手にチクリと痛みを感じた。
リオが針のようなものをクリシュナの手にさしている。
クリシュナ
「おまえ……。」
猛烈な眠気がクリシュナを襲い、意識を失った。
………………………………………………
クリシュナが意識を取り戻すと目の前にリオの顔があった。
身体を起こそうとするが手が動かせない。
どうやら紐で縛られているようだ。
場所は先ほどと同じ高い塔の上らしい。
クリシュナ
「なんのつもりだ、リオ。」
リオ
「質問するのは俺っす。さあ、白状するっすよ。何を考えてるっすか、クリシュナ。」
クリシュナ
「……………はあ?」
リオ
「俺の事が好きだって言ったっすよねえ、なのになんで今日は素っ気ないっすか。」
クリシュナ
「……………。それは……。」
リオ
「俺の事がうざくなったっすか、そうっすね。」
クリシュナ
「違う!」
リオ
「じゃあ、なんっすか!白状するっす!」
リオがさらに怖い顔で上から見下ろす。
クリシュナ
「リオを抱きたくてたまらないからだ。」
リオ
「え…………。」
リオは顔を赤くした。
クリシュナ
「必死で我慢してるんだよ…、俺は。」
リオ
「そ…………そんな………。」
リオは口をあわあわさせていたが思い立ったようにクリシュナの顔を掴んで言った。
リオ
「クリシュナ!俺、聞いたっすよね、ちゃんと!」
クリシュナ
「?」
リオ
「欲しいものとか、して欲しい事とかないかって、ね、ちゃんと言ってくれないとわからないっすよ!」
クリシュナ
「はあ……。」
リオ
「まったく、まったく!」
リオは真っ赤な顔でクリシュナの服を脱がせ始めた。
クリシュナ
「おい………。」
リオ
「これは俺の仕事っすから!俺に任せるっす。」
クリシュナ
「お…………。」
リオはクリシュナの口を自分の唇で塞いだ。
つづく




