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俺のアサシン  作者: 雪村宗
ハニームーン
22/30

アサシンズ ジェラシー

リオが唇を尖らせて、コーヒーカップに恐る恐る近づいていく。


完全に目が寄っている。


カップの淵に唇をつけて溢れそうなカフェオレを静かにすする。


クリシュナはその様子を口に手を当てて笑いをこらえながら見守っている。


コーヒーの容量を減らす事に成功して、へにゃっと笑って両手を挙げた。


クリシュナ

「リオ、いちご、ほら。」


クリシュナが苺にミルクをかけてスプーンにのせたのをリオの目の前に差し出した。


リオが反応して口を大きく開けてスプーンに食らいつこうとするがスプーンが逃げていく。


リオがスプーンを追いかけて上半身をグルグル動かす。


リオの顔がテーブルの真ん中に来たところで…





クリシュナはカプッとキスした。



真っ赤な顔で固まったリオの口の中に苺を放り込んでやる。



クリシュナ

「ごちそうさま、じゃ、俺先に行くから。」


リオ

「もぐ……了解っす。」


リオ

「くそ、またやられたっすよ。クリシュナめ、見てるっすよ!次は避けてやるっす!」






………………………………………………




アサシン教団本部〜〜〜〜



ネマン導師

「コデイン教の息のかかった人間が内部から国を混乱させようとしている。」


クリシュナ

「エルヴィアのように……か……。」


ネマン導師

「うむ…。そいつらを見つけ出し始末せねばならん。行ってくれるか、クリシュナ。」


クリシュナ

「ああ。」


ネマン導師

「すでに何人か調査に送り込んでいるから詳しくは現地の同志に聞くがいい。」


クリシュナ

「わかった。」


その時ドラアが天井の入り口から飛び込んで来た。


ドラア

「久しぶりだな、クリシュナ。」


クリシュナ

「ドラアか、どこへ行っていた。」


ドラア

「船に乗って南の島にちょっとな。」


ドラア

「あ〜ところで、さっき市場でな…。」


ドラアはニヤニヤ笑っている。


クリシュナ

「なんだ…。」


クリシュナは眉をひそめた。


ドラア

「リオちんが恋人になってくれと言われて、オッケーしてたぞ。」


クリシュナ

「はあ!?」


クリシュナの目がつり上がった。


ドラア

「苦労するなあ、クリシュナくん。」


クリシュナは舌打ちして本部から飛び出して行った。


ドラアは大笑いした。




………………………………………………




クリシュナが高い時計塔から市場を見渡すとすぐにリオが見つかった。


カフェのテラス席で知らない男と何か食べている。


クリシュナ

「くそ、餌付けされたか……。」


時計塔からダイブして素早く相手の男の首に腕を回した。


そして耳元で囁く。


クリシュナ

「このまま首をへし折られたくなかったら、二度とリオに近づくな。」



「ひい〜……」

と悲鳴をあげながら男は転がるように走って行った。


リオ

「どうしたんすか!クリシュナ!」


クリシュナ

「ちょっとこい!」


クリシュナはリオの腕を引っ張って人気のないビーチまで連れて行った。






クリシュナ

「恋人になれと言われてほいほいついて行くとはどういう事だ!」


リオ

「なな…、なに怒ってんすか。」


クリシュナはリオの胸ぐらを掴んでにらみつけた。


クリシュナ

「そうだ、俺は怒っている!弁明してみせろ!」


リオ

「だって…俺が恋人にならないと死ぬとか言うっすよ、ほっておけないっす。」


クリシュナ

「……………………。」


クリシュナは脱力して砂浜にガックリとしゃがみ込んだ。


リオ

「どうしたっすか?クリシュナ。」


リオはクリシュナの顔を覗き込んだ。


クリシュナ

「俺は、お前の恋人のつもりだったが…どうやら違うようだな…。」


リオがキョトンとしている。


リオ

「知らなかったっす……。」


クリシュナは俯いて大きなため息をついた。


クリシュナ

「じゃあ…リオにとって俺はなんだ…。」


リオ

「そんなの、決まってるじゃないすか。」


クリシュナ

「?」


クリシュナが顔を上げた。






リオ

「家族っすよ。」





クリシュナは目を見開いてリオを見つめた。




リオ

「ほら、一緒に住んでるし、一生クリシュナの事守るし、愛して大事にするっすよ。これって家族っすよね…。」


クリシュナはリオの腰にしがみついてお腹に顔を押し付けた。


リオは砂浜に膝立ちしてままオロオロした。


リオ

「クリシュナ……あの……どうしたっすか?」


クリシュナ

「リオ〜〜〜〜もう…俺ダメなんだよ……お前がいないと…。」


リオ

「クリシュナ、泣いてるっすか?」


クリシュナ

「俺を捨てないでくれよ〜。」


リオ

「す、捨てないっすよ!俺が悪かったっす、本当にごめんっすよ!」


リオは一生懸命クリシュナの頭をよしよしした。


リオ

「ほら、泣かないで、ね、クリシュナ、泣かれるのは苦手っす…。」


リオはクリシュナの顔を上げさせると瞳にキスをして涙を吸い取った。


反対の瞳も。


リオ

「クリシュナが一番大事っすよ。ね。」


そう言ってクリシュナのおでこにキスをした。


クリシュナ

「口がいい…。」


クリシュナがボソッと言った。


リオ

「もう、クリシュナはワガママっすねえ。」


リオがしょうがないなあという顔をしている。


リオ

「クリシュナ、目を閉じるっす。」


クリシュナは目を閉じた。


少し間があって、




クリシュナの顔にざばっと水がかかった。




リオ

「ははははは!今朝のお返しっす!」


リオは海に入って爆笑している。


クリシュナ

「………。」


クリシュナの頭にはワカメが乗っている。


クリシュナ

「リオ〜〜〜〜〜〜!待て!」


リオ

「あはははははは」


二人の追いかけごっこはしばらく続いたのであった。





………………………………………………





アサシンパブ〜〜〜〜


リオ

「かんぱ〜い!」


リオとクリシュナ、ドラアは大ジョッキをガツンと合わせた。


テーブルの上にいつものチキンレッグがドカンと置かれた。


今日はリオのリクエストポテトフライものっている。




ドラア

「リオ。」


ドラアが口を開けている。


リオが口にポテトをくわえさせた。


クリシュナ

「何してる…。」


クリシュナがギロリと二人をにらんだ。


ドラアはニヤニヤしながらポテトフライを食べている。


リオ

「ああ、ごめんっす。」


そう言ってクリシュナの口にもポテトフライをくわえさせた。


リオ

「クリシュナも食べたかったっすよね、俺気が利かないから。」


クリシュナ

「…………………。」


ドラアは笑った。


リオ

「今日なんてクリシュナを泣かしちゃったっすよね〜。」


クリシュナはビールを吹いた。


ドラア

「へえ、なんて言って泣いたんだ?」


リオ

「俺を捨てないでくれ〜って。」


クリシュナ

「こっこら!言うな!」


ドラアは腹を抱えて爆笑した。


クリシュナ

「くそっ……………!ビール持ってこい!」





ドラア

「ところで………クリシュナ、例のミッション…受けたんだろ?」


クリシュナ

「ああ……。」


ドラア

「いつ経つんだ?」


クリシュナ

「明後日。」


リオ

「なんスカ?ミッション?クリシュナどこか行くんすか?」


つづく

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