リオズ親衛隊 第一回 会議
アサシン教団本部の隠し部屋に円卓を囲んで12人のアサシンが集合していた。
メンバーしかしらないこの秘密の部屋の壁にはリオの絵姿が何枚も飾られている、そうここはアサシン教団リオズ親衛隊本部であった。
リオズ親衛隊メンバーは総員20名ほどであるが、各地を飛び回っているためなかなか全員が集まることはない。
創設時メンバーの5人はファイヴナイトと呼ばれている。
ボルタ
「ドラア、ああいう抜け駆けはいかんぞ。」
ドレッドヘアーの背の高い男がドラアをジロリと睨みつけた。
ドラア
「ふん………、しょうがないだろう……可愛かったんだから…。」
ボルタ
「そんなにか…。」
ドラア
「ああ……、リオちん天使だよ!」
ボルタ
「いいなあ…最近リオちんの笑顔見てない。」
イェータ
「それより、見て見てこれ!」
金色の丸刈りの頭、がっしりとした肉体、浅黒い顔に真っ赤な口紅と青いアイシャドウをつけている男が、
首から下げているネックレスを取り出した。
丸いロケットペンダントの中に笑ったリオの絵がはめ込まれている。
ピーテ
「ヒュー!いいな!それ!」
細マッチョの男が口笛を吹いて目を輝かせた。金髪碧眼白い肌で顎が割れている。
ソンム
「ふん、そんな女々しいものつけられるかよ。俺のを見ろ!」
ソンムはうねった黒髪が肩まである、無精髭がワイルドな雰囲気のたくましい男だ。
その彼がバリッとアサシンコートの前を開いた。
インナーの白いシャツに大きく『リオ命』と刺繍されている。
一同がざわつく。
それを見たボルタとドラアも無言で大きくコートの前を開けた。
ボルタは『リオ愛』、ドラアは『リオちんLOVE』と書かれたインナーを着ている。
ソンムはチッと舌打ちしてコートを閉めた。
ドラア
「ところで、とうとうリオちんがエルヴィアに駆り出されたぞ。」
イェータ
「そうらしいわね。」
ボルタ
「あのクソ王子は強すぎる…。」
ピーテ
「ああ、自分より弱いアサシンは要らないといって突き返されたからな。」
ソンム
「上級アサシンの俺たちが歯が立たないなんてなあ…。信じられん。」
イェータ
「まあ、リオちんもすぐに追い返されるでしょう。」
ドラア
「一応、偽の掟で手は打っておいた。」
ボルタ
「なら大丈夫だろう。」
ドラア
「とりあえずエルヴィアのクエストをこなしつつローテーションでリオちんの護衛でいいか?」
皆はうなづいた。
つづく