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俺のアサシン  作者: 雪村宗
ニューホープ アサシン誕生
17/30

ビーフシチューとピッツァと教団ミッションと

リオは歌を歌ったり、面白い出来事を話したり、風景を眺めたり、食べ物の話をしたりしたので、クリシュナはまったく退屈する事なく、フェニレフリン王国に到着した。


フェニレフリン王国の国境を超えたすぐのところの宿場町で宿を取ることになった。


リオ

「クリシュナ、ここの名物はゴロゴロ肉のビーフシチューだってさ!

俺、これにする。」


クリシュナ

「美味そうだな。」


二人は固いパンを濃厚なビーフシチューに浸して食べた。


店は繁盛してるようで満席状態だった。


おそらく食事ができる店はここだけなのだろう。



満腹になった二人は店のバンド演奏をしばらく見た後、部屋に向かった。


質素だが手入れの行き届いた部屋で落ち着く。


年代物のベッドが二つ並んでいる。



二人は少し重いアサシンコートを脱いでベッドに転がった。



クリシュナ

「明日にはフェニレフリンの王都に着くな。」


リオ

「うん順調順調!」


と言った途端、外からゴロゴロゴロと音が響き始めた。


リオの顔がこわばる。


クリシュナ

(ああ………まさか………。)


窓から稲光がカッと光、バリバリガーーンと雷が落ちた。


案の定、リオが飛び上がってクリシュナの胸にしがみついた。


クリシュナはがたがた震えるリオをおずおずと抱きしめた。


また雷がドカンと落ちた。


リオは痙攣を起こしたように震えて顔を胸に擦り付ける。


クリシュナ

「リオ……………。」


クリシュナはリオの頭に顔をつけた。


心臓が高鳴って飛び出しそうだ。


クリシュナ

(ああ……………これはまずい…気がする。)


改めてリオの体に触れると本当に華奢だ。


腰もクリシュナの右手に収まりそうに細い。


クリシュナは股間が熱くなるのを感じて、必死に気をそらした。


クリシュナ

(くそっ………リオの事を考えるな………考えるな…………そうだ………今、今読んでいる小説………犯人は誰か考えよう。登場人物は確か6人で………………。)


リオ

「クリシュナ〜っあれ歌って……。」


クリシュナ

「あ………ああ………あれね。

か…可愛い……か……可愛い………こ……猫…ちゃん…………。」



クリシュナ

(あ〜もう…………くそっ………可愛い………)


クリシュナ

「か〜わい〜………………………





結局クリシュナは一睡もする事なく朝を迎えた。


幸いにも、嵐は去って予定通り出発できたが、クリシュナは目の下にクマを作ってふらふらしている。


リオ

「大丈夫?クリシュナもしかして雷で眠れなかったっすか?俺もっすよ。」


クリシュナ

「まあ……な………。」

(いいや、お前は爆睡してたぞ。)



クリシュナ

(くそっ………リオに欲情なんか………。)


リオがクリシュナのおでこに手を当てた。


リオの顔がクリシュナの顔に近づく。


クリシュナ

「う………。」


クリシュナの身体中が額から熱くなる。


クリシュナ

(ああ…………………嘘だ嘘だ嘘だ………。なにかの間違いだ……。)


リオ

「顔が赤いっす。」


クリシュナ

「大丈夫だ、さっさと王都に届けるぞ。」


クリシュナはリオの手を払うと馬をけった。





…………………………………




フェニレフリンの王都はものすごい人だった。


ちょうど新王の戴冠式が行われるというので祭りの真っ最中だった。


荷物の引き渡しは夜のため、二人は早めに食事を取ることにした。


リオ

「断然、断然だーんぜん、フェニレフリン名物ピッツア!」


クリシュナ

「へえ、食べたことないな。」


リオ

「すっごく美味しっすよ!」


リオはクリシュナと腕を組んだ。


クリシュナ

(ああ…………くそ…………嬉しいとか思う俺がくやしい。)







二人は街一番のピッツア専門店に飛び込んだ。


時間が早かったお陰で予約なしでオッケーだった。


リオは慣れた様子でマルガリータを注文した。


クリシュナ

「仕事がなかったらワインも飲めたのにな。」


リオ

「そっすね、また来るっすよ。」


クリシュナ

「うん、そうだな。」


クリシュナ

(ああ……くそ、こいつといるとなんでこんなに楽しいんだよ。)




二人は切り分けたピッツアのたっぷり乗ったチーズをビヨーンと伸ばしながらパクついた。


クリシュナは美味しさのあまり声も出なかった。


夢中でチーズを流し込む。


リオ

「ん〜〜〜〜〜〜〜〜!やっぱり本場は最高っす!クリシュナどっすか?」


クリシュナ

「こんなに美味いものがこの世にあるとは……。」


リオ

「っすよね!」


リオ

「俺、まだいけるっすよ!シーフードとかどっすか?」


クリシュナ

「いいな!」


クリシュナ

(ああ……くっそう……なんでこんなに幸せなんだよ。)


リオは知ってか知らずかへにゃっと笑った。




………………………



辺りが暗くなり、待ち合わせ先の豪邸にクエストの荷物を持ちこんだ。


荷物は何が入っているかは不明の小さな箱と手紙だ。


待ち合わせ場所には貴族らしい仮面を被った男たちが待ち構えていた。


貴族の男

「ご苦労だったな。報酬を渡してやれ。」


隣に立っていた男が金貨の入った袋を投げてよこした。


フードを深くかぶった二人はそれを持って何も言わずに扉に向かった。


貴族の男

「待て。アサシン、もう一つ頼まれてくれないか?」


二人は立ち止まって振り向いた。


貴族の男

「この箱の中身を明日の夜の祝賀会に振舞われる酒に入れて欲しい。」


クリシュナ

「………………。」


貴族の男

「新しい王の飲む酒にだ。」


クリシュナ

「…………。」


貴族の男

「この毒はまったく跡が残らない、まるで病で死んだように見せかけることができる。」


クリシュナ

「……………。」


貴族の男

「どうだ、報酬は今の10倍払おう。」


クリシュナ

「……………。」



クリシュナは再び身を翻して扉に向かった。


リオも続く。


貴族の男

「そうか…残念だ……。」


男が手を叩くと金色の鎧を着た騎士が二人に襲いかかった。


それと同時にクリシュナが吹き矢を騎士の鎧の隙間に放った。


吹き矢が刺さった騎士は苦しみだして、隣の騎士に剣で切りかかった。


その騎士を倒すと、逃げようとする貴族の男にも襲いかかる。


貴族らしい仮面の男は一撃で殺された。


その騎士にクリシュナがシャンデリアから飛燕暗殺を決めて全て終わった。


クリシュナは毒の箱を足で潰した。


入り口から軍服の男が入ってきた。


軍服の男

「お見事。」


男は先程の5倍くらいの金貨が入った袋をクリシュナに投げた。


軍服の男

「ネマン導師によろしくお伝えください。」


クリシュナはうなづくと颯爽と場を離れた。


リオも慌てて後を追う。







リオ

「もしかして、教団のミッションだったっすか?」


クリシュナ

「まあな。」


リオ

「言ってくれても良かったのに…。」


リオは拗ねている。


クリシュナ

「話すとリオが緊張するかと思ったんだ。

俺は気楽にリオと旅したかったから。」


リオ

「そっか!そっすね!なるほど!さすがっす。」


リオはへにゃっと笑った。


クリシュナ

(単純で………バカで………。)


クリシュナはリオの頭をポンポンと叩いた。


クリシュナ

「宿に戻ろうか。」


リオ

「ういっす!」


クリシュナ

(目が離せない……。)



つづく





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