リオ大ピンチ
「ふあああ〜〜〜」
ドラアは書庫の本棚の上で欠伸をした。
クリシュナとリオは豪華なロココ調のソファに座って一心不乱に本を読んでいる。
たまにクリシュナは会議やら謁見に出かけていく。
ここ3日くらいこんな感じだ。
リオ
「つ、次の巻どこっすか!」
リオは完全に掟のことは忘れている。
クリシュナがほれっと言って本を渡した。
ドラア
「おーーい!おーいい!」
ドラアがクリシュナの頭上から声をかけた。
クリシュナ
「なんだ?」
ドラア
「何かわかったのか?」
クリシュナ
「ああ、実はコデイン教と裏で繋がっていた貴族が判明してな、今口を割らせている最中らしい。」
ドラア
「どうしてわかった?」
クリシュナ
「司祭の情報網だ。嫌なやつだが役には立つ。」
ランチはクリシュナは王たちととるため、二人のアサシンは別だ。
天気のいい日で外の木陰に二人座って携帯食をかじった。
リオは口をもぐもぐさせながら相変わらず本を読んでいる。
ドラア
「食べる時くらい本を置いたらどうだ?」
リオ
「………………………。」
リオは夢中だ。
ドラア
(はあ………暇………)
ドラア
「ん………………。」
その時おかしな気配を感じた。
ドラアは回転して身構えた。
ふわっとした空気がリオを包み込んだかと思うとリオは地面にくずれおちた。
ドラア
(魔導か。)
離れた木の陰から黒いローブが見えている。
ドラアは素早くそいつに近づいて息の根を止めた。
首からコデイン教の飾りを下げていて額には魔の印が刻印されている。
ドラア
(なんだこいつは……。)
はっとドラアが振り返るとリオの姿は消えていた。
…………………………………
リオは目を覚まして辺りを見回した。
固い石造りの祭壇のようなものの上に手と足を固定されている。
アサシンコートは脱がされて、白いフリフリのネグリジェを着せられている。
左のほうに首を動かすと、沢山のろうそくとともに大きな魔物の像が置いてあった。
右を見ると、城で会った司祭がニヤニヤと笑いながら近づいてきた。
その後ろには20人ほどのローブを着た人間が祈りを捧げている。
司祭
「おお、起きたかね、美しいアサシンよ。
何という高貴な瞳じゃ。
お前の命を捧げたら魔王はさぞかしお喜びじゃろう。」
リオ
「は………離せ!」
リオは青ざめて暴れたが手と足の枷はビクともしない。
司祭
「生きがいいのう…。」
司祭は金のナイフを取り出すとリオの腕にあるアサシンの焼印を切り裂いた。
赤い血が滴る。
リオは
「痛っああああああ!こいつ!」
司祭
「お前はこれからここにいる全員に陵辱されるんだよ。
そのあとこの美しい心臓を魔王に捧げるのだ。
なんと素晴らしい!」
リオ
「キモいっす!このハゲ!変態!豚やろう!離せ!」
司祭
「そんな汚い言葉を口から出すなんて、美しい顔が台無しじゃないか。」
そう言ってリオの口に猿ぐつわをはめた。
リオは喚いているがふがふがとしか聞こえない。
司祭は鼻息を荒くしながらリオのネグリジェのリボンを引っ張ってはだけさせた。
リオはばたばた暴れたが、無情にも司祭の舌がねっとりと首筋を舐めまくる。
さらに強く吸われて真っ白な肌にピンク色のシミが広がった。
司祭は興奮した面持ちで自分の白いローブを脱いで裸になって祭壇に登ってきた。
その時神殿の重たい扉が開いてクリシュナが飛び込んできた。
ドラアは扉の外の信者達と戦っている。
20人のローブを着た信者は悲鳴をあげて逃げ出した。
司祭も慌てて祭壇から降り、裸のまま逃げ出したがクリシュナに蹴られて床に転がった。
司祭
「お、王子……これには理由が…ございまして!
わ……私はエルヴィアの神から選ばれし司祭ですぞ……
私を殺せば王子とてただではすみませんぞ!」
クリシュナは祭壇の上で縛られたリオに目をやり、腕の傷と首筋にある赤い痣を見た。
そして容赦なく司祭に剣を振り下ろした。
…………………………………
クリシュナ
「遅くなってすまんな。」
リオ
「俺こそ、迷惑かけて本当に申し訳ないっす。」
ドラア
「俺がいながら…なんて失態だ……。」
ドラア
「リオ、何かされたか?」
リオ
「はあ………先輩〜………ベロベロ舐められたっす。早く洗いたいっすよ……。」
リオは気持ち悪そうに顔をしかめた。
ドラア
(あの司祭もう一回殺してやりたい…。)
ドラア
「しかし、どうやらこの司祭が黒幕のようだな。」
クリシュナ
「ああ。」
ドラア
「聖職者を裁判もなく殺してしまったのだから、王子も罪に問われるのではないか?」
クリシュナ
「まあな…だから俺は王子の身分を捨てる。」
ドラア
「なんだと?」
クリシュナ
「もともと王子なんて性に合わなかったんだ。もうずっと前から考えていた事だ。
俺は、アサシンになる。」
ドラア
「!」
リオ
「それ、すごくいい考えっすよ!」
リオがへにゃっと笑った。
つづく




