少女達の一日
AM8:00
一台の車が大きな門の前に止まる。
太陽の光で鈍く光る漆黒の高級車“ロールスロイス”
木製の大きな扉がギィと音をたてながら開けられると、その奥には鹿威しや錦鯉が優雅に泳いでいる大きな池、種類の違う様々な木々、所々に小さく咲き誇る花々。
息を吐く程の美しい庭園が広がっていた。その庭園の奥に立派なお屋敷が立ち構えている。
玄関から両サイドに多くの女性、男性が立っている。玄関の扉が開き2人の少女が出てくる。
すると一斉に
「いってらっしゃいませ、つばきお嬢様、さくらお嬢様」
静かな住宅街に響く声。腰を曲げ、頭を下げる。男女が作り出したその道をゆっくり歩いていく2人の少女。
歩いて数分、門の横に止めていたロールスロイスに乗り込み、学校に向かった。
PM4:00
学校が終わり、すぐに車に乗り込み屋敷に向かう。屋敷の左奥は稽古場になっており、2人の稽古場所である。
学校からすぐに家に帰り、稽古場に行く。そして遅くまで稽古をする。友人と遊ぶこともなく、ただ学校と家を行き来し、稽古をする毎日。
これが2人の日常。
そんな毎日をずっと続けてきた。
そして、これからも...