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夢みる未来  作者: 風純蓮&水恋歌
夢みる未来~本編~
8/22

いざ学園へ

 ――時が過ぎ、迎えた月曜日の朝。

 休日は優奈とゲームで盛り上がったきり、特に何かするわけでもなくのんびりと過ごしていた。

 農作業の手伝いといえば、俺が学校生活に慣れてきた辺りから手伝わせるつもりらしく、結果的には暇だったのだ。

 これから向かう木立川学園も、優奈曰くそんなに賢い学校でもないとのことで、机に向かって勉強することもなかったし。

「裕也君、行くよ~」

「あぁ」

 着慣れないブレザーに身を包み、優奈の隣を歩く。

 後ろでは新兵の初陣宛ら、身内全員が俺を見送ってくれた。

 これからは毎日、優奈と登校することになりそうだ。丁度同じ学校の同じクラスになるらしいから。

「――そういえば、何で分かったんだ?」

「何が?」

「俺がお前と同じクラスになること」

「あぁ、それは人数の関係だね。私のクラスから4人も学校辞めちゃったし、他のクラスは40人ぎっしり詰まってるし」

「なるほどな」

 結論、単なる予想に過ぎないようだ。とはいえ正当な見解だし、そうなるだろうとは思うが。

 しかし珍しいこともあるんだな、1クラスから4人も学校を辞めるとは。この地域の過疎化が影響しているのだろうか。

 そうなると転校生とは珍しい部類に入るのかもしれない――なんだか嫌な予感がしてきたぞ。

「あ、裕也君」

「んだ?」

「うちの学校にいる、師岡もろおかっていう先生には気をつけてね。とことん生徒を罵倒してくるから」

「何だそのクソみてぇな教師」

「ま、まあ深く関わらなければ大丈夫だよ。うちの担任だけど、ほっとけばオッケーだから」

「おいっす」

 生徒にとって害のある教師が居る――どうやらこれについては田舎も都会も大差ないようだ。

 教師としての務めは全うするものの、一々細かくて面倒臭い人だったり、指導がやたら熱血な人だったり、とにかく課題を多く出す人だったり。

 俺が孤児院から通っていた学校もそんな感じだった。

「このバス停まで来たら、あとは木立川学園前まで向かうだけだよ。公共交通機関だけど、スクールバスみたいなものと捉えてもいいかな」

 優奈の説明を聞きながら、俺は考え事に耽る。

 これからの学校生活をどうしようか、割かし真面目に考えていたり。

 嘗てのようにならないためにはどうすればいいか。平和に過ごすためにはどうすればいいか。

 ――とりあえず出てきた結論は、優奈の言った師岡先生に気をつけることだった。

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