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愛と狂気を少しだけ  作者: 中原春瑠
7/7

七日ばかりの儚き夢

私たちの住む古ぼけた村には、ある言い伝えがある。


『鳥居の下で 指を結ぶな』

『七人いれば 呪われる』

『七日や七日 鬼が出る』

『七日が過ぎれば 皆消える』






私たちみたいな若者はこんなの信じてないけど、大人はこぞって盲信してる。なんでも昔、七人の少年少女が一週間で立て続けに消えるという事件が起きたからだという。


「だいたいさぁ、どうやって七人も人が消えるわけ?そんなの迷信に決まってるじゃん」


「でっ、でもほら……私のお婆ちゃんの友達が消えたって……聞いたことあるし……」


「でもよー。そのまま帰ってこねぇなんて信じらんねぇよな?」


「嘘だ本当だって騒いでるなら試してみればいんじゃね?」


「ばっ!!ほんとに帰ってこれなくなったらどーすんのよ!!」


「それも込みで、やってみるんだよ。僕は賛成かな」





なんて、私の友達が騒いでるけど……


どうせみんな、半信半疑で100%本当だって思ってる奴なんか、きっといないんだろう。


だから実際に試してみようと思うわけだし……


「ねぇ、ミカはどう思う?」


「えっ、あー、うん。私も、どっちかっていうと賛成」


「よっしゃ!じゃあ放課後、鳥居のところでな!ぜってぇ来いよ!」


今思えば、こんな馬鹿みたいなことやらなければ良かったのにって……。


どうして、こんなことしちゃったのかな……。




その日の放課後、私たちは鳥居の下に集まった。空が赤く染まって、鳥居の上にとまっている烏が一声鳴いた。


「なーんか、いかにもって感じの雰囲気だな」


「ごちゃごちゃ言ってないで、さっさとやってさっさと帰ろ」


誰が言ったかもう覚えてないけど、とにかくみんな、怖かったんだと思う。





七人で輪になって、各々指切りの形を作る。





『鳥居の下で 指を結ぶな』






カオリ、ユウナ、タクヤ、ダイキ、ハルヤ、ユウスケ。


そして私の七人。





『七人いれば 呪われる』






「「指切りげんまん嘘ついたら針千本のーます。指切った」」





『七日や七日 鬼が出る』






神社の近くにある森が唸ったような気がした。






『七日が過ぎれば 皆消える』






そうして、私たちは



少しずつ



いなくなっていった。





<続>





初の続き物ですかね?

あと一、二話続く予定です。


毎回見てくれている皆さんありがとうございます!


感想等、いつでも受け付けております。


なにか気になるところがあれば教えてください。

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