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外に出てみると薄暗い森ではなく、小高い丘の上だった。
その先には水平線が見え、道などは見えない。
振り返って家を見ると、向こう側に森が見え左右に広がっていた。
そういえば今いる場所はどこなんだろう…
そう思ったが、魔法を使いたいがために確認は後回しにすることにした。
その後回しが後悔をうむことになろうとは露にも知らないことだが…。
まずは体に流れている魔力を確認っと…どうやったらわかるんだよ!
血液が流れてるのもわからな…いやわかるけどさぁ…感じろとか無理だろ!
「お主、何やっとるんじゃ?」
声をかけられた、不信人物にみえたか?いや、見られるか…
「あーいや、記憶もなくここに飛ばされてな。この本に書かれてあった魔力を感じようと…」
振り返って見れば誰もいなかった。
左右を見ても誰もいなかったため幻聴でも聞こえてたのか?
それなら幻聴に返事した痛い人やぞ。
「上じゃ」
上?見上げると屋根の上に幼女が…いや幼女じゃないなあれ…
黒のゴシックワンピに赤い線が胸元から肩と足の方に走っていて、風が吹いているのかめくれそうでめくれないワンピ。
背丈は150近いのかな?まぁ、憶測だが…
「こんなところに人がすむ家が建っているのはおかしいからな、様子を見に来てみれば…お主人族だな?」
「まぁ、人…だな。獣人や亜人に見えたら、とりあえず眼科をおすすめするな」
「が、かんか?なんじゃ?それは…」
あ、科学がないから知らない…いや眼科って分類的には医学だよな?
魔法で何でも治してしまうからそういうのがないのか?
「まぁよい、ところでお主、記憶がないといったの…ならここがどこかもわからぬのであろう」
確かに、わからないな、。魔法を覚えて地図みたいなのを見れる魔法があるんじゃないかと期待していたし。
「ここは4国が交わる場所じゃ。この家の裏の森が魔族国領土、お主がいる場所が人間国の領土、そしてこの家は半分が獣人国、もう半分は亜人国の領土じゃ」
わぉひどい立地だ。
国の境界線上にたつ家とか…ドンダケ-