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そういぁ、未だに空中に浮いてる文字はどうすればいんだ?
それに魔法の使い方がわからん…
とりあえず俺は文字が消えろと念じてみたが消えてはくれなかった。
ま、そりゃそうだろうなと思いつつ、文字に触ってみると、触ったところだけが消えたのだ。
まさかと思い、文字に触れるよう手を振ってみると、文字は消えていった。
すべての文字が消えると、手紙(?)は消えて一冊の本が現れた。
俺はその本にあえて触れず、立ち上がり、キッチンへ。
まぁ、腹が減ってきただけなんだがな。
キッチンにはトースターをはじめとした、日本の家の台所に大抵はある冷蔵庫・炊飯器・オーブンレンジの機械類や、砂糖・塩といった調味料の他、鍋なども充実していた。
冷蔵庫を開けると、よく知った野菜だけしか入ってはいなかった。
もう一度言う、野菜だけ。
大事なことだからもう一度言うぞ、野菜だけ!
俺は冷蔵庫をそっと閉めた。
いやまだ望みは0じゃない!冷蔵庫の扉はあと二つある!さっき開けたのは上の一番容量が入る扉だ!きっと野菜室に違いない!棚が数個あったけど気のせいだ!
真ん中の引戸を開けると、空っぽだった。
俺はそっと引戸を押した。
うん、冷たかったから冷凍庫だな。真ん中は冷凍庫!だから何もないのは仕方がない!
最後の希望!一番下の引戸を開けた。
足下にヒンヤリとした空気が流れ、それが冷気だと足が知らせてくれた。
中は空っぽだった…。
俺はそっと引戸を押した。
真ん中…野菜室…だよなこれ…。
そう思いながら、上の扉を開き、中にある野菜を真ん中に移していく。
移し終えて、他も見てみることにする。
炊飯器の中は空っぽ、こめひつにお米一粒はいってない。
トースター、レンジのなかも何もなく、戸棚など色々と見たが家にある食材は調味料(料理のさしすせそ)以外は野菜だけ。
とりあえず適当に野菜を切って炒めて食べました。