表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元竜騎の俺は郊外に住んでいたが王国騎士団長は俺をどうやら冒険者にしたいらしい  作者: みなと劉


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/26

第19話 静かなる断罪

アルノの周囲の大気が、一瞬にして凍りついた。

 それは温度の低下ではなく、肌を刺すような、絶対的な強者の殺気。エドワードが浮かべていた薄ら笑いが、その威圧感に引きつり始める。

 「な……何だ、そのプレッシャーは……。ただの農夫ではないというのか!?」

 アルノは答えず、ただ静かに、内なる魔力の奔流を解き放った。

 (剣格闘士ソードフェンサー――オン。魔力回路――全開)

 肉体を巡る魔力が限界を超えて加速し、視界に入る全ての情報がスローモーションへと変わる。

 (魔剣格闘士(魔導格闘術)――オン。スライディング、浮き足、対空迎撃スキル――全方位待機)

 エドワードが恐怖を打ち消すように杖を振り上げ、詠唱を始める。

 「不遜な! 闇に飲まれて消えろ、この虫ケラがぁ!!」

 杖から放たれた黒い魔弾がアルノを襲うが、彼は紙一重の回避すら必要としない。

 (竜騎兵ドラグ・ド・ナイト、竜騎士、そして――騎士ナイト、全システム・オンライン)

 ドォォォォン!!

 アルノの全身から、天を衝くような青銀色の闘気が噴き上がった。それはかつて王国を救い、伝説として語り継がれた「最強の騎士」の姿そのもの。

 後ろで見ていたラッドは、その神々しくも恐ろしい気配に、腰を抜かして震えることしかできない。

 「命を、循環を、塵のように扱うお前に、土を語る資格はない」

 アルノが地面を蹴った。

 一歩。ただの一歩で、数十メートルの距離が消失する。

 「ヒィッ、来るな! フライ(飛行術)!!」

 エドワードが慌てて宙へ逃れようと浮き上がる。だが、アルノはそれを見越していた。

 対空スキルが牙を剥く。

 「逃がすか。地を蔑む者に、空を飛ぶ権利などない」

 空中で体を捻り、重力を無視した軌道でエドワードの頭上を取る。

 アルノの拳に、圧縮された魔力が黒光りする「断罪の輝き」を宿した。

 「俺を怒らせた報いだ。……さあ、その身をもって土の重さを知れ」

 一撃。

 それは魔術師の盾を紙細工のように粉砕し、絶望へと叩き落とす神速の拳だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ