パーティー登録とリーダー決め
「はい、パーティー登録ですね。」4人はパーティー登録をするべく、早速ギルドのカウンターに向かった。「皆様冒険者登録は終えられていますので、こちらのパーティー登録用紙に必要事項を記入してまたこちらのカウンターにお越しください。」紙を貰った4人はお昼時をすぎ、すっかり空いた食堂に戻り、紙に記入を始めた。「まずは全員の名前と職業だ、ここでリーダーも決める。」「リーダーってなにするの?」「リーダーは主にパーティーをまとめる役割だ。」「それくらいはわかってるわよ…」「レントは良く知っているのではなくて?」「あっ僕…ですか?」「あなた…うじうじしすぎではなくって?元とは言えどAランクパーティー所属でしょう?1番冒険者の経験があるのはあなたなのですから」「あっ…ごめんなさっ…」「そういうところですわ」さすが元公爵令嬢と言うべきか、ニコニコしながら追い詰めている。レントは涙目になりながら震えているが。「まーまーアリアさん、落ち着いて、でも確かにこの中で1番経験があるのはレントさんです。」ソフィがニコニコしながらレントに顔を向ける。さすが元聖女の微笑み。一瞬で場の空気を変えた。「えっと…リーダーについて…ですよね?」レントも安心して話し始める。「リーダーは報酬を受け取る役って言ったらいいかな…パーティーの代表として。あとAランクとか、ランクが高くなってくると、国からの依頼とかも来るから…そこで王様に謁見する役割もリーダーが務める。その他色々あるみたいだけど僕が見てたリーダーはこんな感じ。」「なるほど…俺はよく分からない。」「私そういうの苦手だから…」「わたくしはあまり冒険者に詳しくないから他の人に任せるわ。」一瞬の沈黙の後3人がレントを見る。「えっ…僕?」「まぁそれが1番良い選択だと思いますわ。」「俺も異論は無い。」「私も賛成!」「えっ…でも…僕なんかがリーダーになったら…みんなに迷惑かけると思うし…」「嫌なんですの?嫌なら嫌とはっきり言えばよろしいでしょう。嫌だと言っていない時点で少しでもやりたいという気持ちがあるのではなくって?」「そうだぞレント…嫌なら言ってくれ」「流石に嫌だと言っている人に押し付ける程、私性格悪くありませんよ!」レントは下を向いている顔を上げて言った。「やっやります!やらせてください!」「言えるじゃありませんの…」アリアが笑いながら言った。さっきの圧があるような笑顔とは大違いだった。そんな笑顔は一瞬で真顔に変わり「じゃあそれぞれの職業を入れませんと。あなた達何の職業で冒険者登録しましたの?」と場を仕切り始めたアリアに対してアリアがリーダーの方が良かったんじゃね?と思うレントだった。そんなレントの気持ちは知らず、アリアは淡々と紙に記入していく。「ソフィは白魔法士…っとライルは職業何で登録しましたの?」「俺は魔法剣士で登録したぞ。」「えっ…ライルって剣と魔法が出来なくて魔法剣士になれないから追放されたって言ってましたよね?なんで?」「あぁ…俺、家から追い出されて馬車で国外に進んでる時に魔物とあってな…そこで力が覚醒したんだ…」「じゃあなんで家に戻らないの?」「いや、じゃあお前今更神殿に戻りたいと思うのか?俺は力がないからってあんな酷い扱いを受けた家には帰りたくないな。」「まぁ…そうよね…野暮なこと聞いたわ。」「しんみりとした雰囲気を壊すようで悪いけどライルは魔法剣士でいいのね?」「あっ…ああ」「レントは?」「俺は一応補助魔法士だ。」「補助魔法士?初めて聞く職業ですね。」「役割は白魔法士自体と似ている。ただ、白魔法士とは違い、回復ができない。補助専門だ。」「なるほど名前の通りですね!私は回復の方が得意なのでとてもいいバランスなのでは?!」「そうね、わたくしは攻撃魔法を使う黒魔法士で登録したから、後先考えず組んだパーティーとしてはとても綺麗な職業割り振りね…よし、書けたわよ」4人はカウンターに向かい紙を提出した。「はい、これでパーティー登録完了でございます。貴方達のパーティーが世界に名を轟かせることを期待しています。」まるで運命とも思える4人が出会いパーティーを組んだ瞬間だった。
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