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どうやら機械の天使に転生したみたいです 〜ぶっちゃけ人類は滅んでいるし天使と悪魔が戦争してるし最初からオワタ〜  作者: 餅々
1章 最初から積んでる絶望的な状況で生きようなんて誰が思いますか?
11/20

紅の月の下で

 ――春の香り。


 ――ロン、ロン、ロンと響くハープの音。


 ――優しいお⬛︎様の歌声と手。


 私にはそれだけがあれば良かったの。


 ――私の家は立派だった。

 白い壁に大きなお屋敷。周りにはお花畑が広がっていた。

 それは小さくて可愛いお花、ライラックって言うらしい。

 暑さに弱いから、北海道にあった。私は雪国で育った。

 深い深い冬が終わると、家の前に紫色の花々が咲き誇る。

 美してくて、ただ愛おしくて、私はこの花達が大好きだった。

 厳しい寒さの後にやってくるこの綺麗な光景が、私の心に焼きつく原風景だったのかもしれないわ。


 でもそれ以上に私には愛するものがあった。

 それがお⬛︎様。カッコよくて、素敵で、賢くて、偉い人。

 すごく大きな会社を経営している人で、代々続く名家の当主だった。と言っても分家の当主で、それなりに自由があるからか、本当に多趣味だった。


 その中でも彼は特に音楽を好んでいた。

 屋敷にいる時はいつもレコードからクラシックが流れていて、そのおかげで随分と“そういうことに関する”知識が増えた気がする。

 そしてお⬛︎様は暇さえあれば、小さなハープをいじっていた。


 そのロン、ロン、ロン……という音が、私にはとても澄んで聞こえた。

 お⬛︎様はまるで何かに捧げるように、ハープを弾いていた。

 そしてその対象が誰であるかも、物心つく前から私は知っていた。


 大きなお部屋の中にある古い仏壇。

 そこには赤ん坊の私を抱く穏やかそうな女の人の写真がある。

 この人が私の⬛︎様。私を産んですぐ病死したらしい。

 思えばあのライラックの花畑も、クラッシックの音楽も、すべて⬛︎様のためだったと思う。お⬛︎様は、⬛︎様が死んだ場所を、⬛︎様の好きだったもので埋め尽くしたのだ。かつて失った大切な思い出をここに留めるように。

 私もそんな気持ちを大切にしたいと思っていた。


 ――ここには幸せがいっぱいあるから。

 私にとってここは楽園だった。汚れなき私の聖域。

 私はずっと、この綺麗な世界で何も知らず生きていくのだと、ずっとそう無邪気に信じ込んでいた。


 でも、そんなことある訳ないの。

 永遠なんてものは何処にもないの。

 幸せの崩壊は、すぐそこまで迫ってた。


 だというのに、その変化は緩やかで、私はその時まで気付かなかった。

 なんて自分が馬鹿馬鹿しい。


 ――お⬛︎様、香水なんてしていらしたっけ?


 ――お⬛︎様、またお出かけに行かれたわ。


 ――お⬛︎様、スーツを新調なされたのね。


 その度に仕事が忙しいのかもしれないだとか、素敵だとか、私はそんなことを思っていたのだ。

 けれど、実際はまったく違う。お⬛︎様はこの時期、あの女狐と知り合っていた。

 そして彼は新しい恋を知ってしまった――⬛︎様を少し忘れるくらいの激しい愛を。

 さぞや情熱的な恋愛だったのだろう。さぞや楽しかっただろう。

 後から思えば良い迷惑だ。


 お⬛︎様は、子供の私が思うよりも、ずっと愚かで、ずっと騙されやくて、ずっと自分勝手な人だった。

 だから――


「初めまして、心羽ちゃん」


 無遠慮に、私の大事な屋敷の中に“女狐”を連れてきて、にこやかに紹介した。

 突然だった。

 固まっている私に対し、ケバケバしい化粧と派手な洋服に身を包んだそいつは、いかにも甘ったるい笑顔を向けてきた。


「私、貴女のお⬛︎さんの友達なの。これからよろしくね」


 ――それが私、三条心羽の、幸せな幼少期の終わり。


 ――それが私の、不幸と呪いの始まりだった。










◆◇◆◇









 ――いつになく目が冴えていた。

 いや実際にその表現は正しくなく、正確には眠る気になれなかった、だ。


 随分と便利なことに、この体にはスリープモードなる機能がある。

 それを使えばいくら頭がギンギンに覚醒していても、まるで気絶するように眠ることが可能である。勿論、自然と眠気に任せることも出来るが、スリープモードを使った方が確実に寝れるという事もあって、この世界ではその機能をフルに使っていた。


 だがこの日、何故かそれをする気にはなれなかったのだ。

 理由は分からない。


 分からないが、今日も鬱々とした気分を抱えていた。

 それは未だライラに何も言えてないから。謝れていないから。そして、あらゆる物に怯えて、気力すらもゴリゴリに削られているから。

 隠れて何度も泣いたせいで目元周りは赤かった。止めようと思っても、絶望感は薄れない。

 まあ、そんな状態だから、思考がぐるぐるしていたんだと思う。

 何で、何で、何で、何で――そんなことばかりを考えていた。


「……」


 でも、そうやってじっとしているのも、次第にしんどくなってくるものだ。


 俺は目を細める。

 既に深夜を回っているせいで部屋の中は暗い。

 だがここが白い繭のような部屋であることを俺は知っている。

 天使達は皆、分割子宮の中でエネルギーの供給を受けながら眠るが、俺もそれに倣ってその部屋の一つに入り、壁にある機器と首筋のコンセントをコードで繋ぎ、エネルギーを補給していたのだ。


 ちなみに翼とかの関係で仰向けになることはしない。

 そもそもコードが邪魔になるし、ただ座って眠るのが天使達の睡眠スタイルだ。

 不思議と姿勢は辛くないが俺としてはベットが恋しく、ボロ布をもらってきて毛布代わりにしている。

 それに包まっているとちょっと気分が楽になる。ほんのちょっとだけ。


 けど今は煩わしいような気がした。

 布を退かし、立ち上がり、首筋に触れるとコードが頸から抜け落ちる。

 星のエネルギーは満タンだ。これでしばらくは大丈夫。

 右手の方に近づくと壁に裂け目が現れ、外への入り口が開いた。最初は驚いたこの現象も、今では慣れたものだった。


「…………」


 俺はそこから廊下へと出た。

 ちょっとした気分転換のつもりだった。しばらく散歩でもすれば良い気晴らしになるんじゃないかと。

 だが、そう思ったもののやはり外も暗く、視界は悪かった。何処か不気味で冷たい空気が辺りに満ちていた。それに一瞬ビビったものの、これくらい大したことではないと思い直す。


 視神経の回路を切り替え、暗視モードをオン。

 すると一瞬にして目の前の景色が真昼並みに鮮明に映し出された。

 天使は機械なのでこんなことも出来る。

 本当に性能面だけ見ると人間より優れているんだよな……。


 皮肉げにそんなことを思いながら歩き始めた。

 やがて分割子宮の区画を出て、長く細い道が続いた。

 時折他の場所に繋がる通路の口が開いていたが、そちらは曲がりくねって面倒なので無視した。

 

 ――そんなこんなで、数分経った頃だろうか。

 丁度開かれた廊下の窓から、月光が差し込むのが見えた。

 立ち止まって近寄ってみると、空にはポツポツと何かが行き交う影がある。

 どうやら巡回中の天使達らしい。こんな時でもお仕事ご苦労様ですという感じだ。


「……それにしても」


 と、そこであることに気が付き、俺は更に視線を上に上げる。

 本来ならば黄金に光っているお月様。地球とは違う世界のはずなのに、今まで同じなように見えていたそれが、今日は赤黒く輝いていたのだ。

 まるで血のように、ルビーのように。

 しかも今夜は満月らしい。だからか、怖くもあったが、同時に神秘的にも感じられた。こんなものは前世でも目にしたことがないと思う。

 そのくらい珍しい。


「何でいきなり。何かあったのか?」


 不思議に思って首を傾げる。

 それから生前の知識を掘り起こしながら呟く。


「確か月が黄色いのは、太陽光が散乱して、届いた波長が赤と緑になるからだったっけ……」


 そして、月が赤く見えるのも、それに関係して高度がどーたらこーたらだった気がする。

 うん、そうだ。

 赤い月ってのは、皆既月食とか、大気中に塵とかが沢山ある時に見えるんだったか。うんうん。そうだったはず。ところで何で俺はこんなことを知ってるんだろう。

 変な雑学ばかり知ってる自分は相当暇だったに違いない。

 一つ思い出しただけで次々といらない知識が思い浮かぶ。ペンギンの骨は実はうんこ座りしてるんだとか、そんなの何の役にも立たないでしょ。

 家康が健康マニアだったのとかの知識はともかく……。


「え、でもすげーな……」


 けれどただの現象だったとしても、こんなの漫画とかに見たシーンの一つみたいで、テンションが上がる。

 それに俺はキーホルダーは当然剣の形のものにするし、裁縫のバックはドラゴンの柄を選ぶタイプなのだ。

 こういうのは個人的にグッとくるのである。

 もっと近くで見てみたい。


 そうと決まれば後は早かった。

 マップ検索、ルート案内を指定。

 脳内ディスプレイに屋上までの道の地図が現れる。またもやグーグルさんもびっくりの便利機能に、俺はちょっと感謝する。

 方向音痴だからこういうのは嬉しいんだよなぁ。こういうのは嬉しいんだよなぁ、本当にさぁ。


「よし、行くか」


 そうして俺は進むのを再開する。

 そのまま上へ上へと歩いて行き――そして、階段を上がり切った先、重たい扉を開けると、途端にびゅぅっと夜風が頬を撫でた。


 ……風がいつの間に強くなったんだろうか。

 少し寒い。これなら羽織るものでも持ってきとけば良かった。

 だが思った通り眺めは最高だ。空気が澄んでいるおかげで星空が綺麗に見えるし、より月が大きく映える。

 禍々しく幻想的な赤い月は、すべてを飲み込むように俺の目を奪って――


「おお……」


 そうやって息を飲み、感嘆していた時だった。

 隣の方から、くすくす……っと笑い声が聞こえた。

 思わず肩を跳ねさせる。急だからびっくりする。するとまたもや、くすくす……とさっきと同じような笑い声が再びして。


「君、本当におもしろいよね。見てて飽きないかも」


 静かに、聞き覚えのある口調で、その人は話しかけてきた。

 俺はそちらの方を向いて、目を見開く。

 金髪のお下げに、緑色の瞳。

 紅の月明かりに照らされて彼は微笑んでいた。

 

「やあ、今夜は良い月だねぇ」


 そう親しげに、相変わらずの困ったような顔をして。








◆◇◆◇








 この屋上の空間は、それなりに開けた場所だった。

 木々が植えられ、花々が咲き、誰が作ったか分からない精巧な人間の像があちこちに置かれている。

 恐らく前にいた天使達が作り上げた庭園だ。出来栄えばそこまで良くないが、それでも綺麗にしようとした後みたいなのが見えて、嫌いじゃない。初めて来た割には悪くないと思えた。

 そんな場所に、ポツンと白い丸テーブルが置かれている。

 向かい合うように椅子が並べられていて、その一方には金髪緑眼の天使、エメラルが座っていた。


 彼とはあの後も何度かすれ違い、挨拶はしていた。

 だがこうやって相対するのは久しぶりだ。

 何でここにいるんだろう。

 まさかの偶然に俺は何と話して良いか分からない。


 とりあえず無視は良くないので、返事は返しておく。


「……こんばんは、エメラルさん。お久しぶりです」

「うん、久しぶり」


 そうしたら、彼は穏やかな口調で、こくりと頷いた。

 何だかとても落ち着いていた。リラックスしていると言っても良い。

 俺はそんなエメラルに不思議そうに聞く。


「えと。何でこちらに?」

「うーん、気分転換? 本当はさっきまでもう一人いたんだけどね」


 エメラルが少し視線を下げて苦笑するので、釣られるように俺もテーブルの方を見た。

 確かに、そこにはエメラルが言った通り、誰かがいた形跡があった。

 白黒の市松模様のボード盤が広げられ、一見するとチェスに似ているが、見たこともない駒が並べられ、動かしていた形跡が見られる。

 この世界特有のゲームだろうか。散らかしていくとは、ここにいた人は随分とテキトーなのかもしれない。


「でも彼女、もっといても良かったのにね。生真面目なのに遠慮がないから、さっさと何処かに行っちゃったんだ。あはは、からかったのが不味かったかもね。彼とはどーだい、なんて言ったら、怒っちゃったんだ。仲が良いから、てっきり付き合ってると思ったんだけどね」

「はぁ……」


 だが、そんなことを話されても、どうリアクションすれば良いやら。

 まったく状況は分からないから、こちらとしては曖昧に笑うしかない。

 本人だけが分かることを言われても、コミュ症の俺にはキツいのだ。


「まあ、立っているのもなんだし座りなよ」


 そして当然の流れとして席に座るのを促された。

 ヤバい。この時点で帰りたくなってきた。

 でもチキンハートの俺は拒否出来ない。こくりと頷き、大人しく向かい側の席に座る。

 エメラルは満足そうで、膝を突き、両手を組んで、ニコニコ笑っていた。


「いや、まさか君とこうやって話せるとはね。彼女がいなくなって寂しかったんだよ。私は運が良いね」

「そうなんですか?」

「ああ。それに個人的にも君のことが気になっていたんだよ、ニニ君」


 と、ライラが勝手につけた俺の名前を読んだので、ピクリと眉を動かす。

 名乗ったつもりはないが、初めて会った時のやり取りでその名前が浸透したらしい。

 俺的にはその名前を認めてないので、難しい顔になる。


「あの、俺、ノブナガです。他はムラサメとか、リョウマとか」

「……って、そこは意思表示するのかい。どんだけ嫌なの?」

「?」


 何やら呆れたように呟かれたので、頭にハテナマークを浮かべる。

 何だろう。俺、何かおかしかっただろうか。でも次には「いや、気にしないで。こっちの話」とエメラルが言ってきたので、追求出来なかった。

 若干不服な気持ちになるのは仕方ない。


 それからエメラルは冗談を言うように叱った。


「けどね、そういう系統の名前やめた方がいいよ。それ全部悪魔が持ってる魔剣の名前だから」

「え、……この世界って魔剣とかあるんですか?」

「ん? 食いつくとこそこ? まあ、あるよ」


 すると何故だか、おもしろがるみたいに含み笑いになりながら教えてくれた。


「その所持者は最強の魔王集団、七つの大罪が一柱、〈傲慢〉のマルコシアスさ。彼は魔工と呼ばれ、触れた物を改築し、特殊な魔具を生成する能力を持っている。そうやって作られた刃が、魔剣だ。しかもその刃の素材というのが、天使達が集めてきた素材を無理やり奪い取ったものでねえ。そんな刃の名前を言い回ってたら、君、処分ものだよぉ? 私だって彼は気に入らないんだからね」

「ひぇ、……嘘ですよね」

「いいやマジ。彼は私から大切なものを奪っていったのさ」


 そう言っているエメラルの目は……正直笑ってなかった。

 口元は弧を描いているのだから余計に怖い。俺は震え上がった。

 うん、やめておこう、と思うくらいには。

 それにあの時のエメラルの微妙な顔の理由も分かってしまった。そりゃそうだろうよ。何か嫌なことがあったみたいだし。

 密かに反省する。この人怒らせたら絶対ヤバい。敵に回したくない。


「と言うわけでニニ君の方がまだマシな名前だから、そっちの方を名乗りなさい。天使的にはおかしくない名前だし、気にすることないと思うけどね」

「そりゃそうなんですが……」


 と言っても、ペットみたいな名前なんだよな。

 人間の名前じゃないし。

 まあ、苗字ではいるかもしれないけど。インドネシアとか、マダガスカルらへんに、ジェイコブ・ニニとか、フランシスコ・ザビエル・ニニ〜とか、いるかもしれない。

 ……って、あれ、これって全部欧米の名前だっけか。

 忘れたな。こういう知識くらい思い出せよ、俺の灰色の脳細胞。


 などとくだらないことで悩んでいると、エメラルがふと、ボードゲームの駒を触り始めた。次々と最初の配置であろう元の場所に戻していく。

 そして、言った。


「ところでニニ君。少し私と、このゲームで遊ばないかい?」

「遊ぶ……ですか?」

「そう。これはケルン・クォタリアムってゲーム。通称姫様取りゲーム」


 そう告げてからエメラルは駒の一つを手に取る。

 それは彼の側に配置されていた黒い駒で、確かにプリンセスらしい控えめな王冠を形取っているものだった。


「これを取った人が勝ち。由緒正しき人間様達のゲームだよ。面白そうだろ?」

「……」

「ちなみにこのゲームの歴史は相当古くて、その由縁から結婚祝いとしても送られる。それに因んで、このゲームに誘うこと自体が愛の告白とされた地域も――」

「……ブッ!?」


 その瞬間、俺は咽せた。

 とんでもないことを言われて動揺したのだ。

 そのまま赤くなりながらゴホゴホと咳をする。口がパクパクと動いて、上手く言葉が出てこない。


「な、ななななななな……」

「あはは、本気にした? 勿論冗談だよ、冗談」


 が、カラカラと馬鹿にされる。俺の顔は更に熱を帯びる。

 この人マジで太刀が悪い。


「そもそも君タイプじゃないしね。私、男の子好きだけど、もっと背が高くて、カッコいい系が好きなの。成長したら考えても良いけど……」

「やめて下さい」


 この人確か男の人だったはずだろ。

 本質は無性別だからホモじゃないかもしれないけどさ、やっぱお断りしたい。

 と言うか俺の好みも、白髪で赤目な、アニメみたいな二次元美少女なんですけど。もし仮にこの人に惚れられても俺は靡かない。

 絶対にだ、絶対に。

 そうやって密かに決意を固めていると、エメラルはふぅと息を吐き出した。


「ふふ……そんな必死こいて拒否らなくても良いのに。釣れないねぇ」


 それから肩をすくめて、


「ま、さっきも言った通り、彼女が帰ったから寂しくて、つい構ってほしくなっちゃった。だからさ? どうせ君も暇っぽいし、ちょっと少し付き合ってよ。ね?」


 そんな誘いに、俺はどうしようか少し悩む。

 でも、やることがないのも事実だ。

 興味もあったから、俺は「はい」と答える。

 エメラルは小さく微笑んだ。


「うん、ありがと」

ざっくり設定11

天使の睡眠

天使は基本的に分割子宮内でエネルギーの補給を得ながら眠る。その時の姿勢は座るのが基本。一応翼を折り畳むことも可能だが、仰向けで眠るには邪魔らしく面倒くさいらしい。その代わり体を包み込むように翼を丸める。ベットと言う概念も当然ないが、人にはよってはクッションや椅子を持ってきたりはしている。

ニニは前世を引きずってるので、毛布を被って寝ている。


七つの大罪

悪魔陣営の中でも更に高位に位置する最強の魔王集団の総称。それぞれ原罪(カルマ)と呼ばれる刻印を持ち、それに対応する罪の称号を名乗る。悪魔陣営の最高幹部でもあり、つまりは天使側から見たラスボス集団。その強さは伊達ではなく、幾人もの天使を屠ってきた本物の強者達。

現在のメンバーは五名。〈嫉妬〉と〈憤怒〉は欠番。原則一人に対し一つの刻印しか適応出来ない

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