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煌女革命  作者: あまがみ


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母親 2

 アデライアがいなくなってトーレス家の女たちは変わった。


 クロエはカルロスの機嫌を取るためについて回るようになり、カルロスが外出していると落ち着きなく屋敷を徘徊するようになった。


 バレンティアは高価なドレスや宝石に浪費するようになり、何かと発言する機会が増えた。


 ルイシーナは奉仕のために外へ出る時以外は自室に閉じ籠っていた。言わずもがなクロエのためだ。クロエはルイシーナの傍に男の侍従が近付くのを禁止し、定期的にルイシーナの部屋まで来てはルイシーナが男に会っていないか確認するので、部屋から出ないのが無難だった。


 おかしくなってしまった母を見て、ルイシーナはもっと自分がしっかりしていればと後悔した。ルイシーナがカルロスから認められていれば、家族をまとめられる存在になれていれば、カルロスはアデライアの結婚を認めただろう。そしてアデライアがいなくなってもクロエはカルロスに責められず、堂々としていられたに違いないのだ。


 よりによって出来そこないの方が居残ってしまって申し訳ない。ルイシーナには自責の念があった。だからクロエの言いつけを守り、ベルナルドには一度も会わなかった。胸に生まれた小さな気持ちに蓋をして、いつか時の流れと共に忘れることを願っていた。


 それなのに。


「ベルナルドさんが、お嬢様にと摘んできてくれましたよ」


 部屋の掃除をしに来たモニカが花瓶に花を生けながら言うものだから、胸が落ち着かなくなった。


 赤いアマポーラの花は、彼が摘んできてくれたのだと知ると、より鮮やかで美しく見えるようになった。


 そんな自分が憎かった。家族のために、クロエのために、諦めると誓ったのにたった数本の花で揺らいでしまうなんて。罪であるような気がしてならなかった。


 何も持たずに生まれた己を愛し育ててくれた親の言うことを聞けないなんて。なんて親不孝な娘なのだろうと、ルイシーナは己を呪うのだった。

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