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良くないね、本当に

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

恋愛です。軽いですがR15です。

苦手な方はご注意下さい。


「今日はウチと帰ろうや」

「ごめんね、今日は彼と帰る約束してて」

彼を通じて、彼の幼馴染ともそれなりに付き合いがある。彼を除いて一緒に遊んだ事も少なからずある。けれども、今日は何時も以上にスキンシップが激しい。抱き着いて、指を絡めて、これ以上無いほどに密着しにかかる。

今日、どうしたんだろう。何時もはここまでくっつかないのに。

そう思っていたら、背筋が凍るほどの冷たい声が後ろから飛んで来た。

「何時までへばりついてんの、ウザいんだけど」

恐る恐る振り返ると、今まで見た事がないような冷たい目をした恋人が私達を見下ろしていた。

「ごめんなさ……」

「何、嫉妬? お前の方こそウザいんだけど」

私の真隣で、冷たい空気が流れている。幼馴染同士、喧嘩をする事もあるだろう。けれども微笑ましさなんて欠片もなく、ただ私はその場で固まっている。

彼はそんな私の様子に気が付いたのか、此方を向き直って何時もの穏やかな声で語り掛ける。

「待たせたね。帰ろうか」

そう言うと、私の腕を引っ張ってそのまま教室を後にした。そしてそれは彼の家の前に着くまで続けられた。断れなかった。あの視線がまた此方に向けられる事を思うと、何も言えなかった。

「せっかくここまで来てくれたから、上がっていきなよ」

来たというか、来させられたというか……。

にこにこと笑っているが、顔には『君に拒否権とかないから』と大きく書かれている。

「お邪魔します……」

そう言って、巣穴に潜り込む事になった。


彼に促されるままに上がり込むと、真後ろからカチャンと鍵の閉まる音がした。反射的に振り返るのも束の間、彼の手が私の頬を包み込むと、そのまま唇を押し付けられる。

彼とキスした事はこれが初めてじゃない。割と何度もある。何時も私を気遣ってか、すぐに離してくれた。けれども今日は執拗だった。息の仕方を忘れて口を動かすと、塞ぐように彼の唇も蠢く。逃がさないと言うように。

「あぅ」

小さな悲鳴を上げても、それは止まらなかった。寧ろこれ幸いと言わんばかりに舌を捩じ込んで、ちろちろと口腔を詰る。流石に苦しくなって薄目で彼を見ると、眉間に皺を寄せて、苛立った様な顔をしていた。

――何、嫉妬?

幼馴染の声が脳裏に反芻する。

君、嫉妬とかするんだ……。私が君の幼馴染に嫉妬する様に嫉妬するんだ。

その事に何とも言えない安堵感を覚えて、苦しいながらもそっと彼の背に手を回す力の入らない腕を巻き付けると、漸く離してくれた。

「良くないね。本当に」

その言葉は果たして私に向けた言葉なのか、はたまた自分に向けて言った事なのか。

事の成り行き的に、あんまり彼が彼女の不安を煽るから、彼の幼馴染が焚き付けた話。


あんまり表に出さないので、彼女が不安がってますが、基本的に独占欲は強め。

女性の幼馴染であっても、自分の恋人にベタベタするのは許せないタイプ。

相手が幼馴染という事もあって、本来の冷たい部分が容赦なく出てます。


自分は相手を不安がらせて、ほくそ笑んでる癖に、いざ自分がされると許せないのは、『良くないね、本当に』という意味です。


勿論、気安くベタベタ触らせる彼女に向けての言葉でもありますが。


愛情分からせが書きたいです。

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