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浮かぶバッドエンドのテロップ
「わしの山で育った、わしの山の子じゃ。わしのものじゃ。誰にも渡さん。誰にもじゃ」
あ、これアカンやつでは?
「ちょっと、タンm、」
ガチャン、と、首を締める鉄の首輪。
「捕まえた。もう離さぬ」
耳許で、発される声。逃げようにも、絡んだ腕はびくともしない。
「すぐにでも祝言を挙げよう。心配するでない。わしが必ず、幸せにしてやる」
ひょいと持ち上げられ、屋敷の中へと運ばれる。
背後でガラリと、閉まる扉。
ああ、もう、出られないのか。
バッドエンドのテロップが、視界の端に浮かんだ気がした。
このつまらない生の幕を、速やかに降ろしたかっただけなのに。
転生したら野犬だったので一思いに毒餌で死のうとしたら、犬神さまに捕獲されました。
監禁end
溺愛endと言い換えればハッピーエンドに見え……見え……うーん……
つたないお話をお読み頂きありがとうございました!