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「・・・・・・ご飯、いただいてくるね。」
残念そうに笑って、杏奈は
部屋を出ていこうとする。
しかし、足元がふらついて、
身体がぐらついた。
身軽な俺は、難なく
倒れそうになった杏奈を支える。
「・・・・・・ごめん、目まいがして・・・・・・」
貧血だろ。
俺が、血を飲んだから。
首筋に刻まれた傷痕を、舐める。
「ひゃっ・・・・・・ちょ・・・・・・」
俺の唾液に、治癒能力があるなら。
こいつに付いたキスマーク、治らないかな。
「くすぐったっ・・・・・・あははっ、ちょ、
まっ、待って、なに?」
「もうちょっと我慢しろ。」
治るかも。治るといいな。
 




