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「・・・・・・?」
ある事に、気がつく。
「・・・・・・嘘だろ・・・・・・」
自分の右腕を見つめる。
包帯が巻かれた、俺の大事な右腕。
「どうしたの?」
寝転がったまま、とろんとした杏奈が
こちらに顔だけ向けて首を傾げている。
角度が、きわどい。
めっちゃ白い足、丸見えだぞっ。隠せっ。
「・・・・・・痛くないし、痺れてもない。」
「えっ?」
巻かれた包帯を取っていくと、
痛々しい傷はなく、何ともない
俺の右腕が現れる。
「すごいっ・・・・・・治ってる・・・・・・!」
半身だけ起き上がらせて覗き込み、
杏奈は花が咲いたように笑う。
俺も、笑っちゃおう。
あははっ。
俺、ホントに化け物なんだなっ。




