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絡まっている手に、力が籠もる。
口の中に流れてくる、
極上のメインディッシュ。
何か、さっきよりも、またさらに
美味くなってる気がする。
うま、すぎ。
「・・・・・・くぅ・・・・・・」
小さく漏れる声と、乱れた呼吸。
そして、俺の手を握るハンパない力に、
俺は心配になって離れようとした。
だが、杏奈のもう一方の腕が
がっちり、俺の首をホールドした。
お、おい、こらっ!
「はぁ、はぁ、ま、まだ・・・大丈夫だから・・・・・・」
耳に、乱れた吐息が掛かる。
なんか、俺的に、マズい気がする。
このままだと、俺の理性が、大丈夫ではない。
「・・・・・・ん、あはぁ・・・・・・」
限界だ。
俺は無理矢理、杏奈を引き剥がす。




