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杏奈は、壁に寄り掛かって座っている
俺と同じように、すぐ隣に腰を下ろした。
肩が、触れるくらいに近い。
距離感、バグってんぞ。
「・・・・・・大地って、優しいんだね。」
優しい?
俺の、どこを見て言ってる?
「知って、もっと大好きになった。」
う。
そ、その手には乗らん。
「大地の手、大きいね。」
み、見んなよ。
「繋いでも、いい?」
え。
血を、吸うだけ、ですよ?
「・・・・・・飲んでる間、ぎゅっとしてていい?」
・・・・・・
待て。まて、待て、俺。
相手は、俺を殺そうとした、ハンター女子。
ウソばっかついてる、危険な女。
まだ、100パー許せてない。
なのに。
どうして、かわいいと思った?




