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ちらっと、昌耶の方を見る。
すると、奏子と共にテレビに釘付けで、
険しい顔をしている。
・・・・・・おいおい。
「親父も母さんも、
こんな事件気にすることねーよ。」
そう話し掛けると、二人は
はっとして、俺を見る。
・・・・・・何だよ、一体。
「・・・・・・そ、そうよね。あぁ、朔。
早く、朝ご飯食べちゃいなさい。」
「・・・・・・奏子さん。僕はもう出掛けるよ。
いつもの、お願いします。」
「はいっ。お待ちくださいね。」
奏子は、背筋をピンと伸ばして
キッチンへ消えていく。