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杏奈が返事をするよりも先に、
俺は意見を言った。
「親父も母さんも、ちょっと強引すぎねぇか?
血を吸えたとしても、量いったら
日下部はどうなる?限りがあるだろ?
それに、ただでさえキツい思いしてるのに、
これ以上巻き込むのはどうかな。」
しん、とする。
水を差したみたいだけど、
俺、間違った事言ってないと思うぞ。
「・・・・・・大地・・・・・・」
「・・・・・・朔耶・・・・・・」
「・・・・・・朔・・・・・・」
みんな、俺の名前言って、注目している。
な、何だよ。
「・・・・・・ありがとう。」
杏奈が、嬉しそうに微笑む。
「いいの。協力させて。お願い。」
「飲めば飲む程と言ったが、お前は例外だ。
アンナちゃんの、強力な“破邪の血”。
お前が半人であること、その上に
アンナちゃんに対する、血の味覚。
奇跡が重なっている。
量をいかなくても、十分に力を発揮する。」
「うふふ。朔、言ったわよね?
アンナちゃんの血は、
とても美味しかったって。」
・・・・・・??




