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「“破邪の血”の効力で狂わされずに、
『吸血鬼』の本来の力を、思いっきり
発揮できるっていう事よ!」
・・・・・・それって。
すげぇ事?
「朔耶。僕が話した事を思い出してくれ。
『吸血鬼』は、血を飲めば飲む程
本来の力を取り戻す。
しかし、血に狂わされて、正気を保てない。
だが、それが“破邪の血”だとしたら?
現にお前は、アンナちゃんの血を吸っても
平気だった。僕であれば、少なくとも
致死に値するだろう。
合いの子でなければ、辿り着かない結論だ。
本来の力を取り戻せたら、
血で狂った血縁者を止められる。」
・・・・・・つまり。
俺って、結構すげぇって事?
「朔。昌耶さんの力になってあげて。
まだ、あなたが血を飲み続けて
どうなるか試していないから
分からないけど・・・・・・きっと、
良い結果に繋がると思うの。」
奏子は、杏奈に頭を下げて言った。
「アンナちゃん。お願いします。
朔耶に、力を貸してあげてください。」




