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昌耶と奏子は顔を見合わせ、微笑み合う。
そこ。それ、いる?
二人は優しい眼差しを、杏奈に向けた。
「言い方を変えると、君の“破邪の血”は
すごく重要だ。僕らの麻酔が、
ほぼ効かない。そして、朔耶は
君の血を飲んでも、ほぼ影響がない。
・・・どういう事か、分かるかな?」
「・・・・・・あっ!」
何か、ひらめいたようだ。
麻酔が、ほぼ効かない?
そんな話は聞いてないぞ。
「飲む工程を気にせず、朔耶が
君の血を吸えるという事。
それは、大きな可能性を秘めている。
半人である、お前にしか出来ないことだ。」
??
だから、親父。意味分かんないって。
首を傾げていると、奏子が
輝かんばかりの笑顔を浮かべて言った。
 




