75/650
Lesson3 半人であるが故に出来ること
今、俺の部屋の人口密度は高い。
昌耶に奏子、そして杏奈。
俺は何とか身体を起こしてもらって、
壁に背を預けて座っている。
この部屋に、こんなに人が
集まった事がないので、異様だ。
顔を合わせて、まず口を開いたのは
親父からだった。
「奏子さんと話し合ったんだが・・・・・・」
普段通り渋い表情で、杏奈に目を向ける。
「アンナちゃん。この家に、
一緒に住まないか?」
「・・・・・・え?」
・・・・・・は?
何言い出すんだ、親父。
「あなたの“破邪”の力を、是非
貸してもらいたいの。」
母さんも、大真面目で告げる。
注目を浴びる杏奈は、
戸惑っている様子だった。
「・・・・・・あの、私で良ければ是非、と
言いたいところですが・・・・・・
役に立つのでしょうか?」




