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AL2−20
予想すらしていなかった話題だ。
しかも、それを明かすというのは······
「私と紋白は、児童養護施設で育ちました。」
「······えっ?」
「親の愛情を知らない私たちですが、
拾ってくださった兎川会長のお陰様で、
それに近いものを得ることができました。」
その事実が衝撃なのと同時に、
今まで目にしてきた彼女の
吸血鬼に対する献身さが理解できた。
ただ、なぜ。それを、僕に話すのか。
意図が分からない。
「吸血鬼様にお仕えする事は、
私の生命力に繋がっています。
······ただ、紋白は私と違って
夢を抱いておりますが。」
「······夢?」
「ふふっ。それは、
私の口からは申し上げられません。」
悪戯な笑顔が、ドキッとさせる。
「兎川会長の手足となって携わることは、
私の悦びなのです。
······貴也様の、糧でいられることも。」




