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FL−26
大きな瞳が、目一杯に俺を映す。
戸惑い、恥じらい。
いろんなものが混ざっている。
桜色の唇が、小さく震えて息が漏れた。
伝わる。
彼女は今、俺にメロメロだ。
「大好きだよ。杏奈。」
一言一句、迷わず伝える。
すると、ますます瞳の奥が揺れた。
「······さく、や······」
やっと零れた、かわいい声。
返しの言葉が紡がれるのを、
待つように見つめる。
「······自分も、大好き······」
あぁ。最高。
「これからも、ずっと······傍にいる。
杏奈を、笑顔にしたい。」
苦しくて、悲しい気持ちよりも。
楽しくて、嬉しい気持ちで満たしたい。
「······ありがとう······」
感謝とともに、笑みが溢れた。
やっと。笑ってくれた。
嬉しいな。




