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FL−25
振り向いた彼女の表情は、最初
驚きの方が勝っていた。
俺が真っ直ぐに見つめていると、
白い頬に赤みが増していく。
「······朔耶が、カッコよすぎて······
緊張しちゃう、なぁ······」
言葉を返さずに更に見つめていると、
耐えられなくなったのか、彼女は
視線を逸らした。
「き、今日の分、飲むでしょ?」
首を差し出す為に
髪をかき上げようとした手を、
俺の手で絡めて制す。
「いつもありがとう。今夜は、いいよ。」
彼女の顔が、完全に真っ赤になって俯いた。
「······の、飲まないの?」
俺は、微笑む。
「杏奈を、見ていたい。」
血をいただくよりも、それが必要だ。
彼女の両頬を、両手で優しく挟む。
「俺を見て。」
今は、何もかも忘れてくれ。




