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俺たちに注目される紋白さんは、
ほんのり頬を赤く染めて微笑む。
「差し出がましいことですが、
私の方から申し出ました。
星弥様を、一目お会いした時から
······」
恥じらいながら告げる姿は、まさに。
えぇっ?嘘だろっ。予想外すぎるっ。
「多忙で、なかなか一緒に過ごす時間がなくて
申し訳ないと思っている。紋白。」
「い、いいえそんなっ。私の為に、
星弥様のお時間を止める方が
心苦しいですわ。」
「今宵は、君と過ごすと決めている。
共に来てくれるか?」
「······はいっ♡」
「と、いうわけだ。
それでは、失礼するよ。」
少しもふざけないツジーが
差し出した腕を、紋白さんは
嬉しさを抑えながら取る。
ビュッフェの方へと仲良く歩いていく二人を、
呆然と俺たちは見送った。
······
おいおい。なんだよ。
めちゃくそ紳士じゃねーか。
やるな、ツジー。




