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貴也の親父と緋葉さんは、
ナイト・オブ・ルビーへ向かった。
滞在する所が、超一流ホテルとか。すげーな。
会長とツジーは、まだ仕事があるとかで
協会に残るらしい。どんだけ働くんだよ。
そりゃー人間よりは、身体は強いし
夜行性だろうけどさ。ちゃんと休んでほしい。
貴也は、俺たちを見送りたいと
杏奈たちが待つ協会のエントランスへ、
一緒に歩いていく。
うわ。もう夜中の2時じゃねーか。
ごめん杏奈。待ちくたびれただろうな。
エントランスへ行くと、
乾さんが微笑んで出迎えてくれた。
「皆様方、大変お疲れ様でした。」
「乾さんもっすよ。······あっ。
制服とリュック持ってくるの忘れた。」
「ははっ。僕が取ってくるよ。」
すまん。貴也。
「その服は差し上げます。
着替えずにお帰りください。」
「えっ。いいんっすか?」
「はい。そのように仰せつかっています。
よくお似合いですよ。」
じゃ、遠慮なく。




