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「いえいえ、クイーン。違いますなぁ。
悔やむというよりも、
このままでは終わりたくないという
抵抗なんですよ。」
ツジー、お前······
もしかして、かなりヘビーな過去を
背負ってたりするのか?
「私の血筋の話など、どーでも良いのです。
それよりも、貴也くんが血狂いを克服した
経緯に、興味をお持ちになりませんか?
ミスター・河野。」
「······」
それは、俺も気になる。
貴也は試験的に薬を服用して、
その副作用を乗り越え血狂いを抑えている。
詳しい経緯は、教えてもらえていなかった。
「彼が実験体になってくれたお陰で、
貴重なデータを得る事と
開発した薬剤・“KKHW2”の改良を
進める事ができました。」
「······KKHW2?」
「我々吸血鬼の、未来へ繋ぐ薬だ。」
 




