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部屋に入った瞬間、脳がバグる。
一言で言えば、西洋の城内。
勿論行った事ないが、それくらいに
内装がヤバかった。
真っ赤な絨毯。部屋の真ん中には、
長くて豪華なロココ調のテーブル。
それに合わせて椅子も、装飾が施されていた。
貴也の親父と緋葉さんは、既に
腰を下ろしている。
俺たちは、向かい合うように座った。
「今宵は、特別なひと時になるだろう。
心ゆくまで語り尽くそう。」
会長は、両方を見渡せる
真ん中の椅子へ座る。
相変わらずの、肩出し黒いドレス。
誰よりも、この部屋と違和感がない。
「言っておくが、
じゃれ合いに来たわけではない。
事実を訂正する為に踏み入れたのだ。」
貴也の親父の、渋いイケボが響き渡る。




