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「······御三家の事を話さなかったのは、それに
振り回されてほしくなかったからだ。
血筋で判断するのを、僕は好まない。」
なるほど。
親父の妙な気品と貴也の王子気質は、
そこから生まれているのか。
何か、納得できる。
俺は、多分。半人ってのもあるから、
プラマイゼロなのだろう。
まぁ正直、血筋とかどうでもいいけど。
それよりも。
「会長の本当の名前、
空詞渡 麗子っていうんだな。
変わったみょ······もごもごっ!」
うわっ何だ?!
「ウップス!さくさく朔耶くんっ!軽々しく
口にしてはいけないっ!」
「もごもごっ?」
何だよっ一体?
何青ざめてんだツジー?
「クイーンの真名を告げる時は、
“裸踊りをしてもいいくらい服従します”
という意味なんだよ?ふーっ、
くわばらくわばら。」
「······もごっ?」
······はっ?




