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······真名?
えっ。会長の名前って、兎川じゃねーの?
「そのつもりだ。」
「御三家、揃ったのだ。心ゆくまで
語り合おう。」
御三家。そんなの、あんのか。
初めて聞いたぞ。
会長に続いて歩く貴也の親父の後ろを、
緋葉さんは何も言わずに付いていく。
今までの彼女の言動と、その姿を見て
何となく察した。
“河野”っていうのは、
御三家の一名字に間違いないだろう。
恐らく緋葉さんは、
貴也の親父の下にいる存在。
人間側でいう、夫婦という見方は······ない。
吸血鬼が子孫を残すとしたら、
不思議な事じゃないのか。
だから、会長も。俺と杏奈に
まぐわいのバックアップを······
「ハロー朔耶くん!また会ったね!」
「······ツジー。」
そうだ。
ツジーは、人間側の常識を
柔軟に取り入れてくれている。




